京都市電 伏見・稲荷線 全停留場紹介 ②塩小路高倉 | レールは、こころをつなぐ道。

先日開催の「そうだったのか!伏見を走った路面電車」会場で展示された資料と、福田静二氏の全19停留場紹介写真を始め多くの提供画像を交えて沿線の解説を連載します。

 

前回の①京都駅前 ↓

 

 

京都駅前を発車した電車は道路中央を走り、200mで塩小路高倉交差点に差し掛かります。ここまでは河原町線系統と共用です。

河原町線系統は塩小路通を直進し、伏見・稲荷線の電車は高倉跨線橋方向へ右折します。

 

前回掲載のこの図では東海道線がすぐそばを走っていたので塩小路通は築堤で登り、高倉通は築堤上だった。

1913(大正2)年に七条停車場(現京都駅)の二代目駅舎が完成して線路が現在の位置まで南へ移設されたので、塩小路高倉交差点は平面となり現在のようになった。

 

下の画像は京都タワーから見た塩小路高倉交差点で、各方向の停留場は交差点を出た側にあり、塩小路通には島式の安全地帯が設けられていたので京都駅前行の停留場は伏見線で唯一の島式安全地帯でした。

上の画像では線路が三角形に敷設されていますが、河原町方向から伏見方向へのポイントが設置されたのは1963(昭和38)年の事で、それまで伏見と京都市役所を直結する⑱系統は河原町二条-塩小路高倉-京都駅前-塩小路高倉ー勧進橋-中書島と一旦京都駅前を経由するルートでした。

そして京都駅前で先着の電車の乗降や折り返し業務などで待機するロスタイムがしばしば起きるため乗客からは不評でした。

 

 

②塩小路高倉(しおこうじたかくら)

高倉通へ右折した電車の軌道敷は早速、道路の東側寄りとなり乗降は歩道もなく、幅1mもない路肩で行われました。

(行列の絶えない有名ラーメン店の向い側付近)

築堤当時は撮影位置付近を東海道線が走っていたのかな?

さて上の写真の場合、後方から曲がってきている自動車はどうするのでしょうか?

 

その前に、去年5月のストリートビュー  

左の歩道に回転してみて下さい! 何人並んでいるでしょう?

 

 

対向の自動車は同方向の軌道敷上を走行しているので、乗降に手間取ってる時などに対向市電が無ければ対向軌道敷上を走ったのでしょうが、基本的に市電の後方を追従走行することになります。

旧線は跨線橋手前の車が駐車しているあたりから斜めに八条通方向へ降りていた。

新線は少し東へ膨らんで跨線橋に続いている。

 

南行軌道敷の外側に余白はありません。追従車が大型トラックだど対向の市電が来ると要注意となります。

新幹線に沿って西へ向きを変え八条通へ降りる手前から少し路肩が広くなってきます。

 

つづく