ごはんを食べてあまりのおいしさに泣いた経験はおありでしょうか?

私はあります。

それは神戸にあるシェフとソムリエとマダムでやっているような小さなお店でした。

一口食べて、世界が一瞬で幸せに包まれて、そのあまりのうれしさに涙する。

大袈裟かもしれませんが、食べ物がこんなにも一瞬で人を幸せにし、そこに喜びを持ってお金を払うという循環の素晴らしさを初めて感じた瞬間でした。その経験後、私は調理の道へ行きました。


なぜそれがそこまでの感動をもたらしたのか?絶えずそれが頭の中を巡りました。

ただ「おいしい!」と「泣くほどおいしい!!」には大きな違いがあります。

そして同じ感動を求めてフレンチを転々と回ってみたり。

同じくらい手間とお金をかけた食べ物でも、作る人によって違うのか?と悩んでみたり(笑)


私は本当においしいものは万人が感動する食べ物だと思い込んでいました。

その答えの一端が薬膳を学び始めてから少しわかりました。

韓国ドラマ宮廷女官「チャングム」をご存知でしょうか?

王様の料理を作る女官から王様の医官にまでなった女官のお話です。これを見て薬膳勉強しようと思った方は多いはず!そのドラマではお水ですらその人の体調を考えて温めたり、塩を入れたりするのです。お水ですらそうなのですから、王様へ出される料理は王様の体質・その日の体調をおもんばかった料理ばかり・・・これぞ薬膳なのだと思いました。

話を戻すと、ただ「おいしい!」と「泣くほどおいしい!!」の間には

料理人の体質・その時の体調、そして食べる側の体質・その時の体調の見事なシンクロがあるのだと思うのです。友達にすすめられて食べてみたけど、そうでもなかったという経験をお持ちの方も多いと思います。例としては・・・その人の体調が酸っぱいものを欲していないとき→おいしく感じない=酸味が強い味を多く用いているシェフの料理がおいしく感じられない。ということが起こっているからなんです。

最後に私的薬膳の見地から美味しいお店を見つける方法を一つ。

もうおわかりかもしれませんが、自分と体調の良く似てそうな料理人のお店を探すのが美味しいものへの一番の近道!(例えば・・・メガネをかけている。煙草を吸わない。お酒が弱そうなど)

かえって難しいかもしれませんが(笑)美味しいごはんに出会ったらぜひシェフを観察してみてくださいね!