6月13日
奴のデモをしろという言葉は日本中で響き人々は大群でデモを行うことを決めた。

6月14日
俺達はデモの警備のために国会議事堂の前に集まった。そこには、過去ない人数の人間が押し寄せた。我々警察は「HORN」というものの恐ろしさを目に焼き付けた。日本にいない「HORN」は、日本中の人間を駆り立て革命へとつなげていた。そのうちデモはヒートアップし、火炎瓶を国会議事堂に、向かって投げるもの。警官隊に殴り掛かるものまで現れた。世界中のニュースで、その様子は放送され世界は驚いた。その後俺達はコンビニで買ったコーヒーを飲みながら署に帰った。
「やばいっすね。高松さん。」
「確かにやばいな。」
「こういうのって革命って言うんすよね。」
「成功すればな。失敗すればただのデモか、テロだ。」
「国が変わったらどうなるんすかね。」
「知らねえよ。」
「やつの言ってることイマイチ間違っているようで合ってるような。難しいんすよね。」
「どちらにしても殺人は、犯罪だ。これだけは何がなんでも正しい。」
「そうっすね。でも、海外からの攻撃だとして何が目的なんでしょう。」
「さあな。」
「外交的に有利になる国っすかね?」
「愉快犯かもな。」
「マジすか。」
「知らねえよ。」
横西は、僅かに肩を落とす。
「刑事の勘かと思いましたよ。」
「そんなもんあったらもっと出世してるよ。」
「それもそうすね。」
俺達はその後ほとんど話さずに署に帰りついた。

学校ではでもに参加するから早退する生徒が沢山いた。僕はもちろん学校に出席した。そこまで「HORN」に賛成する必要は無いからだ。彼が何を考え何故ここに辿り着いたのかは、分からないが、彼には賛同した方が良い。事実、彼は我々のヒーローに、なりつつある。しかし、それでも何かが間違っている気がする。もっと根本的な何かを間違えてしまったかもしれない。そう僕は思った。
「ただいま。」
「おかえり。早かったわね。」
「そうかな。」
僕は自分の部屋に入り机の上に座る。背もたれの後ろにある漫画を適当に取り出し読み始める。しかし、その読む手が止まる。僕はたいせつなことを忘れている気がする。知らない間にとんでもないことをしたのかもしれない。そう思った。

やつの足取りは未だつかめない。まずどこの誰かもさっぱり分からない。そこで俺と横西は、動画の解析を、しているメンバーに聞いた。
「これは、どこからだ?」
「それが。。バラバラなんですよ。」
「初めは、アメリカで次に中国そしてブラジル?かな。」
「は?」
「犯人は余程インターネットに精通した人物です。」
面倒臭い事件になりそうだ。

6月15日
奴は朝、
「こんにちは!みなさん。昨日はありがとうございました!お陰様で、世間に我々の勢力の盛大さを感じていただけたと思います。そして、ここからがいよいよ本番です。まず、今日今から皇居を爆破します!この放送が終わればすぐです!明日は警視庁を破壊します。それでは!」
警視庁では、どよめきが起こった。そして、衝撃が響いた。本当に皇居は、爆破された。天皇皇后両陛下は、無事脱出を奇跡的にしていたが、皇居ほ、跡形もなく消え去った。日本中で衝撃が走り、反対派はと賛成派の抗争が各地で、怒り始めた。しかし、反対派は、多くが高齢者であり、賛成派の優勢が、報告された。その直後、国は「HORN」を、指名手配犯とし、徹底対抗する姿勢を示した。
「奴は明日ここ。警視庁を、破壊すると宣言している。必ず明日までに奴を見つけだし、逮捕するように!必ずだ!捜査班以外は、データの保管を急げ!」
「まじでやばくないすか?高松さん。」
「まじでやべえな。」
その後俺たち2人は動画の、解析班に今回の配信の配信元が、どこなのかを訪ねた。
「それが、ですね。今回はホントに難解なんですけど、ここなんですよ。」
「は?」
「だから、警視庁ですよ。」
凍りついた。
「警視庁の、人間が、これをやったってのですか?」
「いや、分かりません。でもその可能性が、極めて高いかもしれません。」
「マジかよ。」
「やばいっすよ!」
「うるせえな!」
「すいません。」
「でも、何が目的ですか?」
「『革命』かもな。」
その時だ。
「こんにちは!みなさん。見ていただけましたか?皇族への税金の無駄遣いは、辞めるべきでした。そして、今回の爆破には、2つの目的があります。これは、政府への宣戦布告です。私はこの国を変えます。たとえ何があっても私は成功させます。私の邪魔をする人は誰であっても殺します。いいですか。革命は、もう始まっているのです!さあ、ようこそ!新しい世界へ!」
俺達は動けなかった。奴の平然とした表情に俺達は狂気を、感じた。人間離れした感覚を覚えた。警視庁の前では市民が暴動を、起こしていた。特殊部隊も押しのけ中に入ろうとするものまでいた。自衛隊に派遣要請を、したが、ほとんどの隊員が、それぞれの地方での、抗争に、出払っていていないとの連絡だった。
「おい。横西。ほんとに奴は悪なのか。」
「高松さんが言ったじゃないですか。殺人は、犯罪だって。」
「じゃあ、この反乱はどうやったら止められる。」
「奴を逮捕することじゃないんですか。」
「それは、反乱を激化させるだけだろう。」
横西は、黙った。
「殺すしかないんじゃないだろうか。奴らを。」
「そんな。それは。」
「悪だな。」
俺はしばらく辞めていたタバコを吸いたくなった。