こんにちは、石畳ネコです。





もうすぐ6月も終わり。

6月はよく俵万智さんの短歌を思い出してました。





「思い切り愛されたくて駆けて行く

6月、サンダル、あじさいの花」

(俵万智)





これ本来は、恋の歌なのだと思いますが

ちょうどこの短歌を知った時、

毒親からの解毒に四苦八苦して

過去を思い出しては悶々としていた時だったので

ぜんぜん違う印象を受けました。





はたち前後の頼りない私が、

愛されるということを実感したくて、

でもどうしたらいいのかわからずに

もがいて、ついかけ出しちゃったような。





サンダルの季節であじさいも咲いて

季節はめぐってそれに対応して生きてはいるけど

でも本当に毎日が何か足りなくて

地に足がついてない自分がもどかしくて。





そんなすごく心細かった若かりし頃の自分を思い出して、

思いっきりよしよししてあげたい気持ちになる歌です。





…そんな若い頃に「愛をください♪」という歌詞の歌がよく流れていて(『zoo』byエコーズほか)

知らず知らずハミングしてるうちに私って愛が欲しかったのかも!と気づいたのでした。

でも当時の彼氏が「愛を下さいって、なんか気持ち悪いね」と言ったので

わ、愛を欲しがってる私、気持ち悪い?と思って気持ちを押し込めたのでした…





ずっと家に愛がなかったんだから仕方ない。

愛のようなものはたくさんもらって

愛されてるんだ、と思おうとしてきたけど

心は本当に栄養失調になっていました。





何が食べ物がわからないうちから、お腹が空くように

愛が何かはわからなくても、愛が足りないことはわかる。

食べものと同じで、愛をもらったら

自然と元気になるし勇気が出てくるから。

(アンパンマンみたいおねがい





心が餓死する寸前でも、サンダル履いてあじさい愛でて

外からは、うら若き恋する乙女に見えたかもしれないあの頃。





あの頃のわたしが

商店街や本や歌や友だちからもらった愛を握りしめて

ぼろぼろになりながらがんばってくれたから

今の中年のわたしがある。





愛が欲しくてもがいてたあの時の私に

いっぱい愛を送りたいとおもいます。





和菓子のような紫陽花