大人バレエアカデミー、バレエトレーニングディレクターの猪野です。

今日はレッスン中によく出てくる言葉


「ふわっと」の正体について書きます。

 

 

力を抜くでもない。背中で反るでもない。
では何をどうするのか。

 


実践できる形にしてまとめました。

 

 

ふわっと=曖昧な雰囲気づくり、ではありません。
骨盤の真上に胸郭を過不足なく“のせる”こと。

 


この配列ができると、床を押しても上半身が暴れず、
ルルベやターンで呼吸が途切れません。

固めない。反らない。潰さない。
これがキーワードです。

 

 

 

ふわっとの定義

 

胸を前に突き出さない
みぞおちを引っこめ過ぎない
腰に反りジワを作らない
肩甲骨を寄せて固定しない

肋骨と骨盤を一直線に重ねる
首の後ろがすっと1センチ長くなる
呼吸は下腹と側腹にひろがる
声を出しても喉が詰まらない

これができている状態を、ここでは「ふわっと」と呼びます。

 

 

 


プリエ前、タンジュ前、ルルベ前に毎回リセットします。

 

 

ありがちなNG

 

背中で“持ち上げる”
肩甲骨をギュッと寄せる
おへそだけ強く引き込む
みぞおちを前に押し出す
胸を張る勢いで首が短くなる

 

いずれも一時的に「姿勢が良く見える」だけで、
呼吸が通らず動きが固まります。

 

 

 

よくある質問と短い答え

 

床を押す=力むこと?
違います。方向の合った小さな圧の積み重ね。
三点支持と膝の前後の純粋な伸びをセットで。

 

 

引き上げは背中を固めること?
違います。内圧と骨格配列の管理。
まず胸郭を前に押し出さないこと。

 

 

回数をこなせばそのうちできる?
誤差が大きい反復は誤差の固定化。
先に入力(足裏と配列)の質を上げてから反復する。

 

 

まとめ

ふわっとは雰囲気ではなく、配置の技術です。
胸を出さず、潰さず、反らず。


骨盤の真上に胸郭を置き、呼吸が通る通路を確保する。

そのうえで床を押せば、
上半身は静かに保たれ、
ルルベは高く、ターンは軽く、ケガのリスクは下がります。

 

スタジオでは、レベル別にこの配列を設計し、
誰でも10秒で再現できる合図に落とし込んでいます。

 

 

体験やクラス選びの相談は、いつでもどうぞ。
あなたの練習が、努力に見合う成果につながりますように。