コロナ禍が示した医療者国費養成の必要 本当の安全保障とは? | 母親ひとり親の医療の学校の受験・修学手助けします

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コロナ禍での「発熱患者」診療拒否は日本の医療制度の根本的な欠陥を明らかにしました。

長尾クリニック(兵庫県尼崎市)院長の長尾和宏氏は談話で
「多くの国民が発熱患者を拒否する“かかりつけ医”に怒っている。その声に、かかりつけ医や推進者である日本医師会はどう応えるのか。」

「残念ながら日本の開業医は利他の心や志が無く、ここでも他人に冷たく自分さえよければいいという多くの日本人を蝕む利己が働いてるんですよ。他国は医療従事者になる時に宣誓させられると聞きます。なので、他国では日本の感染者をはるかに上回っていても医療崩壊で大騒ぎという話が伝わって来ない。・・・ 」
と医師の批判をしています。

日本国の「医師法」には「応召義務」がありますが
その判断は医師本人や各医療機関に任されているのが現状で
中央官庁や地方自治体に「応召」に関する指揮権がありません。
その結果、このような批判を受ける事態になったわけです。
 
でも、長尾さんの批判は感情論でしかありません。
「志」以前に日本の国が国民皆保険制度を基本にしているのに医療を私企業(私立病院・開業医)に頼っている
(大阪府のようにこれが年々ひどくなっている)
自己採算を求めているかぎり正しくはなくとも間違っているとも言えません。
 
もともと
医療法人は法律でもうけること(営利事業)や部外者からの出資を禁止しています。
後継ぎでなければ開業資金は全額自己調達しなければなりません。
これでは私企業である医療機関の経営に口を出すことができないのは当然です。
 
そのため
後継者養成などを主な理由に医療法人へ高率の税額控除などの特権を与えています。
国公私立大81校の医学部総定員は「9330人」そのうち国公立「5475人」(2021年)は約6割。
ざあーと計算すると私学医学部での学費は標準で合計6000万円(生活費込み)かかります。

首都圏で家が買える金額です。
国公立でも標準で2500万円(生活費込み)かかります。
地方都市なら十分家一軒分です。
(ちなみに、看護師でも私学四大看護学科なら1000万円です)
 
さらに
自分で開業するとなればこれに加えて「養成費用」どころではない金額が必要になるでしょう。
もうかっている医者もいますが
医師全員がこれまでの努力や使った資金に対して十分もうかっているかというわけでもないようです。
 
現状ではコロナ禍のような事態での生き残りのための診療拒否批判は一方的な暴論でしょう。
「他国は医療従事者になる時に宣誓させられる」
そのような国は実質医師の養成は国費で行っています。
 
個人に任せっぱなしで都合の悪いときに批判する。
その態度の方が問題ありでしょう。
 
すべての解決になるわけではありませんが
医師、医療者に志を求めるならば
まず、学資・資金の心配なく
志をもった人が資格をとり就業できる機会を増やすことでしょう。
(自立のために資格をとることも歓迎ですが、当然世の中のために役立ってもらいます)
 
わたしはかつて教員だったころから
医師だけではなく医療者すべての国費養成を主張しています。
大阪府看護協会の公式な場でも発言したことがあります。
(よく分かってもらえませんでしたが)
 
コロナ禍での医師・医療機関の動員(協力)が必要になって医療者国費養成の必要性がはっきりしてきたと思います。