二乗した結果の元の数(平方根)をイメージするのは大変むずかしいものですね。
ピンとこないほうが自然なのでしょう。
わたしも誤解していましたが(数学の授業ではそう教わったから)
平方根という数が実際にあるというよりも
二次方程式を解くために定義された数です。
(0や負の数も引き算の計算のためにつくられた数です)
ただ、数として扱うと都合がいいから数として扱われることになりました。
これを理解すると数学者クロネッガーの言った言葉である
「自然数は神の作ったものだが、他は人間の作ったものである」の意味がよく分かります。
そのようにつくられた数の上に成り立つ数学の考え方は科学の法則や法律や規則のようなものとは違ったものだということです。
だから、数学は覚えるものではないのです。
ところで
わたしは習慣になっていますから
広さいくらと聞くと
すぐにその一辺の長さを計算して広さをイメージしてしまいます。
11なら平方根は3と4の間になるなあ
3の二乗は9、4の二乗なら16だから3に近い数になるはずだと頭に浮かびます。
言ってみれば平方根とは九九の答えから掛けた数を求めることです。
100坪(330平方メートル)の田んぼなら10×10×3.3だから
一辺が10×√3より少し大きいからだいたい10×1.7か1.8だから17~8m四方ぐらいかと頭に浮かびます。
九九ができていれば当然100までの平方根に当たりをつけることが出来ます。
さらに、インド算数のように19×19までの九九をやっていると400まで平方根を使わなくても当たりをつけることが出来ます。
特にコンピュータを扱う人なら2の累乗数は1,2,4,8,16,32・・・ 1024ぐらいまでは自然に頭に浮かびます。
計算ではなく習慣ですから。
数学の計算の基本は日頃からの習慣ですから。
平方根を身につけるためには
2,4,8,16,32・・・ 3,9,27,81・・・ 5,25,125,625・・・
こんな累乗に慣れておくことがけっこう役に立ちます。
何となく数学は理詰めでやっているように勘違いされていますが
実は直感が大きいのです。
たいていは後から理屈をつけます。
正確ではなくとも当たりをつけられるというのは大事なことです。
けっこう、普段の生活でもこれぐらいの計算をすることはあります。
以前は、仕事柄、用意する箱の容量を概算したり、どれぐらいの生地や紙を用意しなければならない時なんかに大体の当たりをつけることはよくやりました。
高い評価を受けているインド算数ではこんな風な体感を大事にしているようです。
ただし、言っておきますが
計算と数学はほとんど別のモノです。
有名な数学者でも異常なほど計算が得意な人とおそろしく計算に興味がない人とに分かれます。
たいていの現代数学の分野で使われる数は抽象的な数で(数と言うよりも概念です)
実際の数字の計算をすることはまずありません。
でも、数学者といえばどうしても計算が得意な人というイメージが強いようですね。
平方根への入り口として
故板倉聖宣さんのグループが開発した授業書《2倍3倍の世界》を紹介したいのですが
著作権の事情から全文をUPすることができません。
(仮設社 https://www.kasetu.co.jp/ で手に入ります)
(参考のために授業書の一部(図を含む)を引用しましたが引用の範囲を超えているというのであれば消します)
長さの2倍3倍と面積の2倍3倍の違いを考えていくことで平方根の考え方の基礎を知ることができます。
Web上での解説を参考に挙げます。