「共同親権」導入以前に 結婚制度の見直しを | 母親ひとり親の医療の学校の受験・修学手助けします

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共同親権導入を明記…法制審がたたき台、「暴力で離婚」は対象外

法務省法制審議会(法相の諮問機関)部会

 

「たたき台では、離婚後の親権について、父母が合意すれば、共同親権を選択できると明記した。合意できない場合でも、家庭裁判所が親子や父母の関係を考慮して共同親権か単独親権かを判断するとした。」

 

共同親権の議論以前に

日本の婚姻制度が配偶者・子どもの権利を守るようにできているのかという疑問を感じます。

婚姻制度を無視して親権の議論をすること自体に問題があります。

 

今の憲法・民法でも婚姻について原則は示されていても

すでに現実の社会に応じたものとは言えなくなっています。

もう75年以上もたっているのに

その間にまったく現実に適応するための努力がされていません。

 

そのため

本来、法律上はカップルの利益保護のためにあるのに

「婚姻関係」の保護の役割しか果たせなくなっています。

 

欧米での大きな流れとして

フランスのように婚姻関係にランクをつけて法での保護に違いを設けるか

イタリアのように法で保護するが現実には配偶者同士に任せる

といった

現実に応じた対応をするようになっています。

 

フランスの結婚制度には、法律婚(mariage civil)、PACS(Pacte civil de solidarité)、ユニオン・リーブル(union libre)の3つがあります。

法律婚は、市役所で行われる公式な婚姻

PACSは、同性カップルや異性カップルが、法律婚と同じような権利を持つことができる制度

ユニオン・リーブルは、事実婚と呼ばれるもので、法的な手続きを必要とせず、自由に同棲することができます。

 

今イタリアの子どもの34%は未婚の両親のもとに生まれている。

今後も割合は増え続ける見込みです

イタリアでは事実婚や同棲だけでも同一家庭と見なされて行政の補助も出るから、信仰心の浅い人にとっては結婚する意味が見いだせなくなりつつある。

事実婚だと相続の権利は発生しないが遺言状でカバーしています。

 

ところが

日本では条文の文字面の解釈でつじつまを合わせたり

まともな審理もせずに思い込みで動くだけで

利益を失った者の保護には消極的です。

 

また

「不貞(貞操義務違反)」が慰謝料の対象になる

いわば、婚姻関係が財産権であるといわれても仕方がないようなことになっています。

すでに

欧米の流れとしては「不貞」が民事での不法行為として扱われない国が増えてきています。

財産は慰謝料としてではなく共同財産の分与として扱われます。

 

以上のような婚姻関係の考え方が親権と強いかかわりがあるのは当然なことです。

そのような夫婦間のあり方の変化の結果が「共同親権」です。

 

ここ数年、日本人と国際結婚した外国人配偶者が、婚姻の破綻に伴い子どもを連れ去られたと訴えるケースが問題視されています。

20年7月には、欧州連合(EU)の欧州議会が、「子の連れ去りの多さを憂慮する」として、日本を名指しで批判した。

共同親権が公式に議論されるようになったのは日本の国内法と国際条約のギャップの解消のためであって

政府が外からの圧力を強く感じるようになったからと言えましょう。

 

自発的な議論ではないので

対象となる者は自分が何を求めるかではなく

離婚後のDVや虐待への配慮といったふうに

法をどのように解釈するかという反応になってしまったと思えます。

 

わたしは西欧での同性婚の議論も

このような異性間でのいろいろな結婚の形を認めるといった流れの中から生まれてきたと考えます。

 

外圧や国家的な見栄からの立法は決していいものとは言えません。