夫婦別姓と課税制度(社会保障)との関係 個人課税と世帯課税の違い | 母親ひとり親の医療の学校の受験・修学手助けします

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夫婦選択別姓、報道ではよく取り挙げられていますが

もう一つ盛り上がらない感じですね。

 

関心がないというよりも

肝心なことが議論に出てきていないので議論が深まらないという感じがします。

 

わたしは夫婦の姓選択制度の根本は税制(税金制度)にあると考えています。

欧州で選択別姓制度が支持されているのは課税制度が個人単位であることの影響がおおきいと考えます。

 

正直言って

夫婦同姓を「家族の一体性」のためと言っている人の中にも

家族が一体になっているのか怪しい人をたくさんみます。

だから、夫婦同姓を守らなければならないのでしょうか?

 

有力な国の中で夫婦同姓を法律で強制しているのが日本だけで

ほとんどの国は夫婦の姓に特別な意味を感じないということなのでしょうか?

 

ただ

選択別姓を主張している人の多くはわたしが感じる限りでは

夫婦とも稼げる別生計が可能な人や

長男・長女同士のカップル

ではないかと感じます。

(憶測ですので批判は受けます)

 

欧州では課税単位は「世帯」ではなく「個人」です。

ですから基本は別生計になります。

 

河合薫さんの日経ビジネス電子版のコラムへの書き込みでこんなものがありました。

『外国人男性の本音のサイトでは日本人の女は何か理由をつけて会社を辞めて専業主婦になりたがり、そのくせ財布を管理しようとするから気をつけろ、と書かれている。

日本人女性は地雷扱いなのである。このあたりは、よく働く女性である河合さんには理解できないであろうが、一般的に日本人女性は怠け者とみなされている。』

 

わたしはこの書き込みへの是非を言う気はなのですが

「財布を管理したがる」ということが気になっています。

書き込んだ当人はどう考えているかはわかりませんが

以前は欧州の家庭では家計は日本とは違って夫が管理するものでした。

現在は課税制度が個人単位なので多くのカップルの財布は個人持ちではないかと思っています。

(意外にも日本では江戸時代までは夫婦別財産で別姓が基本でした。

夫婦同姓は日本の伝統ではありません)

 

課税が個人単位だと男女にかかわらずフルタイムで働くことが基本になります

ここでいう「怠け者」とはそうでないということなのでしょう。

フルタイムで働きたいと思っていなくても

そうしないと社会保障が成り立ちません。

 

また

家計が個人別ということは離婚するときの不都合が減ることになります。

すでに欧州では子どもに対する養育の責任はあっても

離婚(特に不貞の場合の)による夫婦間の損害賠償はありません。

(相続の遺留分もないのです)

夫婦も恋人も、個人と個人、寄りかからない大人と大人の関係だということです。

 

だから

保育所が完備していないと社会の崩壊が起ります。

別に福祉が進んでいるからではなく

個人が社会の単位になれば家族や親族の助け合いを期待することなどできなくなります

子どもも社会が育てるという考え方が必要になります。

 

その点、是非はあっても

日本の世帯課税は家族の中で弱者を保護するという考え方になります。

言ってみれば「福祉」ではなく「安心」を保証しようということなのでしょうか?

(ただし、近い将来成り立たなくなるでしょうが)

 

明らかに障害や病気ではないが

現実に働くことができない事情の「つれあい」がいる場合

個人単位での課税だと本人が社会保証を受けることができるのでしょうか

(わたしのところでは他人事ではないのですよ)

 

今の所

よく稼げる女子にとっては世帯課税よりは個人課税の仕組みで国が動くようになるほうが望ましいでしょう

当然、そこには「別姓」という個人が優先される文化や仕組みが受け入れられます。

しかし

現実にはまだ世帯(家族)が生きるための安心網?になっている人たちは

無意識であっても個人を優先することへの怖れをもっているのではないでしょうか?

 

わたし自身は日本の現状からすると「選択二重姓省略可」という考え方をしています。

二重姓も(それぞれの姓をつなげる)を選ぶことができて

正式には二重姓でも普段の生活ではどちらかを省略してもよいという考えです。

マイナンバーがあるのですから可能なはずです。

 

よく問題になる子どもが姓を選択するときにも

親として話がしやすいと思います。

 

ただ、議論をするのであれば

カソリック教徒が多い国では

信徒であっても多くのカップルは

法律手続き上は夫婦であることは認められていても(手続き婚)

宗教上の結婚をしていないことは知っておいた方がいいと思います。

信仰の上では「事実婚」に近いということになります)

姓の選択という行いでも同じ感覚をもっているかどうかは分からないということです。