普通教育に見る冷ややかな計算 欧州での教育権と普通教育の実際 | 母親ひとり親の医療の学校の受験・修学手助けします

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前回

「新コロナ休校で分かる「義務教育」と「普通教育」の違い 普通の人が普通に学ぶってどういうこと?」の続きです。

 

いわゆる進歩的と言われる人たちは

欧州、特に北欧の政府の政策をほめる人が多いのですが

実際の政策には冷ややかな計算があります。

 

日米の感覚からすると

今でも社会の中に階級があり

古い習慣を引きずっている社会です。

 

人権や福祉と言ったものを大切にしますが

同時に

彼らは非常にドライな目で人と人との違いを認めています

彼らはお人好しではありません。

 

普通教育は国民(人民、難民も含めて)の権利ですが

国民すべてを平等に扱うものではありません

(日本での平等の感覚とは違ったものです

念のため言っておきますが

合衆国には日・欧でいうような意味での教育制度がありません)

 

わたしのとらえ方としては

国民全体を能力で次のように分類していると考えています。

(人の能力を個人ではなく集団として考えると確率としてとられることができます。)

 

全人口の

70%の普通の人・・・・・・ イ)

10%の人の上に立つ能力・経験をもった人・・・・・・ ロ)

10%の援助をうける必要のある人・・・・・・ ハ)

5%の天才・・・・・・ ニ)

5%の手厚い保護が必要な人・・・・・・ ホ)

(これに加えて財産や親の社会的立場で扱いが変わります)

 

イ)+ロ)が社会を動かしています。

その中でロ)の人たちが社会のリーダーや起業の中心になり

ロ)の人たちにイ)の人たちが使われるわけです。

 

その

イ)に対応する教育が「普通教育」で

ロ)に対応する教育が「高等教育」です。

 

日米と違って

イ)の人たちは立身出世は求めません。

立身出世の鬼でなければ

生活に不満がないかぎり無理なく楽しく暮らしたい

それだけです。

「分をわきまえる」ということでしょうか。

日米と違って立身出世はその人の欲望であり美談ではないのです。

ときにはイ)の人たちが同じ層の出世した人を拍手喝采するとしても

自分のことではなく他人事です。

 

普通の人が「無理なく楽しく暮らす」ための条件をつくる教育

それが「普通教育」です

言ってみれば「使われること」を初めから受け入れて成り立っているわけです。

 

それに対して

人の上に立つ

自分の能力を最大に活かす

そんな大変な訓練を抱え込んでいるのが「高等教育」です。

 

わたしの在職中の職場はほとんど入試レベルの低い学校でした。

いつも生徒には言ってきました

「自分が上を目指したいならそれだけの代償を払う必要ある。

自分がそれだけの努力をする気があるのか?

そうでなければ

自分が人に使われても自分を守ることを学べ」と。

 

特に北欧教育のべたぼめな紹介は

このような国を治める立場の人たちの冷ややかな計算

知らないのか

それとも自分の主張に都合が悪いことを隠しているのか?

 

以前

フィンランドの在留邦人の手記を読んだことがあります。

確かに

日本での小中学校相当の学校では話に聞いたようなうらやましい内容だったそうです。

ところが

普通高校相当(高等教育を目指す)の学校に入った途端

完全な競争主義に変わるそうです。

(競争したくない子は別のコースに行きます)

大学入学資格を取るためには必ず標準レベルをクリアしなければなりません。

日本の受験競争などは比べものにはならない厳しさだそうです。

これじゃ

自分の子どもには厳しすぎる

日本で教育を受けさせたいと書いていました。

 

次回は

ハ)ニ)ホ)の人たちがどうとらえられているかという話をしましょう。