こんにちは。 番長えりです。
愛媛県喜多郡内子町。
うだつ、鏝絵、海鼠壁、漆喰の白が目に優しいこの町は、
何もない空間までもが一つの芸術。
「京ひな」 醸造元・酒六酒造と私の出逢いは18年前。
当時はまだまだ、純米仕込みでは難しいポイントに数え上げられていた
アミノ酸度と酸度を極度に低いポジションでバランスを取り、
透き通った優しい香味を演出するという究極の技を、
この蔵の梶谷幸三郎杜氏はやってのけていた。
私の著書、「純米主義」 (小学館) にも書いたとおり、
梶谷杜氏は優れた匠であった。
先年、ご高齢を理由に完全引退された梶谷杜氏。
その引退を惜しむ者は多い。
杜氏引退後も、一造り、二造りは監督・指導に来ることが珍しくないこの世界で、
引き留める声を振り切っての潔い完全引退には、
酒六酒造の前蔵元、酒井冨士夫社長の急逝があったという。
「梶谷さんには随分お願いしました。週に一日だけでもいいから
監督に来て欲しい。指導に来て欲しいって」
故・冨士夫社長のお嬢さんである美佳さんは淋しそうにそう言ってた。
「正直、酒質は変わりました。前の方が良かったというお声、
元に戻して欲しいというお声を頂くこともあります」
「これからみんなで頑張っていきますので、見ていて欲しいんです。
梶谷から学んだこと、梶谷がやっていたことを受け継いでいくために、
みんなで頑張っていますから…」
美佳ちゃんは、お父様である前蔵元が急逝され、
急遽東京から帰郷し、お母様である現蔵元を助けながら
一から、いいえ、ゼロからスタートの蔵元修行の身。
大人しく、派手さがないのでイベントでは目立つ存在ではなく、
不慣れな部分が損を誘うことも多々ある。
でもね、皆さん。
目立つキャラクター、派手なパフォーマンス、
それだけがイベントの華ではないんです。
楚々として、目の前の自分の仕事に向き合うひたむきな蔵元見習いもまた、
イベントの華なんです!
さぁ、今日の公開ショットは、「京ひな」 酒六酒造の武知美佳ちゃん!
「造りの者は、毎年が一年生。
機械では感心する酒は造れても感動する酒は造れん」
美佳ちゃん、これがあなたのお父様の口癖でした。
頑張れ!



