一人娘だった
いつまでもあると思うな親と金
一億総中流の幻想
高級賃貸マンションの家族
宮川佳子（64）現在独身
半世紀前
幸せだったあの頃
おうちにはいつも居てくれたママ
サラリーマンの優しいのパパ
都内のマンションに住んでいた
賃貸の方がいいんだよ
職場も近いし
郊外に一戸建て買っても通勤に１時間半
固定資産税etc.
あの頃は女子大より短大の方が偏差値高
佳子は有名私立短大を卒業
奨学金という名の学生ローン？
何ですか、ソレって
両親には感謝している
就職は、大台証券株式会社
此処が曲がり道だったのか
同期社員は２，３年で寿退社
何故かご縁のない佳子
5,6年も居座ると立派なお局様
何となく居づらくなってきた
転職しようにも
あの頃はアラサーちゃんには
マトモな職種が無く
大台証券の庶務課にずーっといた
ご縁が無いから
アラフォーになった頃母が脳梗塞で倒れた
介護のために退職
やっと退職出来たけど
母の介護でまた縁遠くなる佳子
人生って運だな
【墨呂空】