乙眞ちっくな夢の中で会うO.Namieの夢 後編 | 墨呂空の無双芸術劇場

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Il sogno di Naemi

奈美恵の夢

幸せの儚さ

 

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とても仲良しだったよね

赤毛のアンとその親友みたいに

そして、その時は二人と家庭環境も

幸せだったね14歳までだったかな

一緒にピアノ習っていたねは文学少女で

音楽も勉強も私より出来た

 

学年一の読書家だったね

ナミエってなんでも知っていた

 

博学なナミエ

 

皆さんトウの国って知ってますか?

私「ハイ、中国の事です」

それでは、乙眞さんテンジクは判りますか?

私「えーっ・・・と分かりません」

分かる人いますか?

ナルミ「ハイ、インドの事です」

ナルミったら凄い、ちょっと悔しいけど

尊敬してた

約束

ピアノもよく練習して上手で

ソナタとかバリバリで引いてた

私なんか恰好だけピアノ習っていたから下手

でもさ、音楽大学に行きたいね

私は歌で貴女はピアノなんて言ってたんだ

結局下手な私が音大付属高校入った

てか、家庭の事情って今ならわかるよ

私と一緒に音大行くって約束したのに

急にピアノやめたと聞いて

音高受験しないの?音大もって

どうして?どうして?

無神経な事言ってしまった私

 

幸福な家庭があったから

不幸な事になってしまったのだろうか

 

ナミエは、父親の不倫で

お母さんと離婚になったって

ずーっと後になって知ったんだ

家でうちの両親が噂していたのを聞いた

 

「若い女と出来ちゃったんだって山中繊維会社で…」

「相手の女が男の子産んだらしいよ」

「へ~あの厳格そうなお父さんが分からないもんだよね」

私「・・・・・・・・・・・・・・・」

彼女の父親は有名な繊維会社に勤めていた

ところが、そこの事務員と不倫して

ナミエの両親は離婚した

14歳の時⁈14歳⁈中二だった

いつも仲良しで楽しい私とナルミだったのに

急に話さなくなってしまったのはあの頃?

私は何も気づかなかったんだ、

親友だったのに

小学校高学年二人でよく歌を作ったね

 

 

二人でお互いの家のピアノで

作詞作曲したね

50年前は楽譜もバイエルとか練習曲ばかり

自分たちでアニメの歌とか伴奏作ったりした

楽譜に書いてハ長調ばかりのww

拙い楽曲だけど二人だけの楽しい遊び

 

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ナルミは公立のそこいらでは一番の高校に行った

私なんか、呑気にナルミは文学の方選んだのかな

 

その位にしか思ってなかったから

 

たまに電車で会うと、その後どう?

暫く遊んでないよね

大学はやっぱり文学部の方・・・

ナミエは、目を反らし何もしゃべらない

エッ!無視された

音大二年生の頃やっと事情が分かる馬鹿な私

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彼女には10歳位離れた妹がいて

或る日母親とナミエ姉妹が

そのころ流行り出したテイクアウトの大きな寿し桶抱えて

3人でかばい合うように

電車から降りてきた

北風が寒いクリスマスの夕暮れ

そうⅩマスイヴの・・・・電車から降りた

私は見ない振りして避けた

それから、ナミエとは会ってはいない

会ってはいけない気がした

ナルミのおうちは近所にあるよ

訪ねてもいけないと悟ったのは二十歳過ぎ

 

でも、たまに夢に出てくると

昔と同じ様に、一緒にピアノで弾き歌うんだ

 

ナルミは高校出てから

歯科衛生士になったらしい

その後、クズ男と家出したとかなんか

嘘でしょ、優等生だった奈美恵が・・・

男と同棲した?唯の噂でしょ

当時の町では相当スキャンダル

 

30年前だろうかナミエらしき人が

自転車で坂道走ってるのを見た

あぁ、元気でいるじゃん良かった

でも、あの子妹さんかな全然変わってない姿

 

よかねぇーよ!オトマ

結構上から目線で

元親友みてたんじゃん

 

こんな奴だから嫌われたんじゃないの

無神経な私に親友なんかできゃしない

ノン・ベストフレンドなの私の性格

ナルミの夢はたまに見る

ペキニーズと遊んだあのテラス

二度と語れない私たちの夢

【墨呂空】

2020年に掲載した西乙眞の小説後編

おわり