進化とは、生体などの性質が世代や時の経過で変化する現象である。それは遺伝子と環境の作用によるものだが、大きな進化は突然変異がもたらすものだ。
ケンズカフェ東京「特撰ガトーショコラ」。自他ともに認める最高峰のガトーショコラは進化を怠らない。この5月、ひっそりとしかしながら大胆 に「特撰ガトーショコラ」は進化を遂げていた。それは究極を追い求める男たちの物語から生まれた突然変異なのである。
DOMORI（ドモーリ社）はイタリア・トリノにある世界屈指と称されるチョコレートメーカー。創業者のジャンルーカ・フランゾーニ氏は、カカオを求め自ら世界を訪ね歩き、最高品質のカカオを見出だしては自社農園で栽培。収穫したカカオ豆の 発酵、焙煎そしてチョコレートになるまでの全工程を自社で行う比類なきチョコレートと称賛され、世界中の有名シェフやパティシエが求めてやまな い、グランクリュショコラ(最高級チョコレート)をつくり続けている。
一方、ケンズカフェ東京の氏家健治シェフは「特撰ガトーショコラ」が世界最高峰と称されるにつけ、その存在と意義、使命に隔靴掻痒(かっかそうよう)としていた。
そんな二人は、新宿伊勢丹サロンデュショコラ2014で出逢い、互いにリスペクト。その日のうちにジャンルーカ氏はケンズカフェ東京を訪れ、すぐさま 「特撰ガトーショコラ」を食し、そのおいしさに驚嘆。そしてジャンルーカ氏は「是非とも氏家シェフのためにチョコレートを調合したい」と、一瀉千里のごとく事が進む。今思えばそれは究極を追い求める男たちの偶然と必然のできごとであった。
そして数か月、ドモーリ社からケンズカフェ東京に届いたのが、氏家健治シェフのために調合されたオリジナルグランクリュショコラ「KEN'S 」である。
新生「特撰ガトーショコラ」。
甘さではなくカカオの芳醇なアロマのみの食後感・・・それは言葉を失う"官能のフィネス"。