こんな俺にも敷居が高いものがある。それは正統派の京料理(懐石料理)。
食は文化だといいますが、「スイーツ番長」などという軽薄な名を名乗っていると、伝統文化でもある京料理に向き合うのは、その軽薄ぶりをミスかそれそうでどうにも小っ恥ずかしい。
もちろんフレンチでもイタリアンでも伝統文化なのだが、異邦人の俺にとっては所詮ミーハーでいられる。
しかし京料理にあっては異邦人ではなく邦人。なのに折衷料理にどっぷりつかっている異邦人的な俺の実生活をみると、実に敷居が高いのである。

ということで、今回の食事会は茶懐石。美食家の吉田早苗氏にお願いし、開店二年目にして早くも名店の誉れ高い天現寺「青草窠」(せいそうか)に行ってきた。
主人の松川忠由氏は招福楼 の出身。詳しくは京料理に浅はかな俺が語るより造詣が深い吉田氏の→さろん木々← をごらんください。

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カウンターの主人の背に掲げられる店名にもなった魯山人の手による杉板に緑釉の「青草窠 」。
看板としてかがられ、いや掛け軸のごとく客をもてなすよう。
「窠」とは住居などの意味だそうで、青草すなわち食の居とは深いなあ・・・だから京料理は敷居が高い(笑)。

この日は5名なのでテーブルの個室で。


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先付け
桃山時代に器に。
車海老・雲丹・長芋・岩海苔を梅肉和えで。
器の歴史に神妙な面持ちの俺。


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正直、これに出鼻を打ちのめされた感じ(笑)。
開けると同時に昇る出汁の香。そしてその汁を味わうために器に口づける唇。
椀ものってセクシーだな(笑)。決して西洋料理にはない。
器を空にして改めてこの漆器の軽さに驚いた。
聞けば東京国立博物館などにも展示され、二代目渡辺喜三郎作の汁椀だとか・・・あぁ。


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お造り
鯛とカワハギ。
用意されたカワハギの胆醤油。これが実に美味。カワハギの胆はアン胆同様、他の魚に比べて脂分が豊富。
脂肪分がほとんどない懐石料理にあって、胆醤油は別次元の美味しさ。やばいよこれ、瓶詰にして持ち帰って、ご飯にかけて茶漬けにしたい(笑)。
器は楽・十二代弘入(楽吉左衛門)作。


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笹の葉で巻かれた穴子蒸しの寿司。
京都や西日本で見られる旧暦10月(亥の月)の亥の日の無病息災を願う年中行事。その菓子、亥の子餅(いのこもち)を模した、蒸し穴子と栗の笹の葉寿司。


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これまた桃山時代という戦国末期の時代物の陶板で登場した焼き物(5名分)。魚はマナガツオの西京焼き。
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そしてこれまた豪奢な盛り付けの伊勢海老。高温で油通しされ焼かれた身はジューシーで香りも豊か。ミソも甘い!


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蕎麦


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炊き合わせと続き、


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ご飯の菊と梅干の雑炊。美しい黄金色の小菊の花びら。
ご飯粒は梅のピンク色に染まっている。



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菓子は栗きんとん。もぉ・・・単品で売ってほしい!まさしく和モンブラン。


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お薄に続き水菓子は初めて食べる桃太郎ぶどう。青い若いトマトのような形。マスカットに似た味わいのシャキっとした皮ごと食べるブドウ。


懐石料理はいちいち蓋を自分でとるる「開ける」楽しみのある料理だ。
そして醍醐味は昆布出汁という旨味の調味。これは西洋料理のコクとは異なる透明感のあるコクというのかな・・・。
澄んだ水ほど体のしみじみにいきわたる、それと同じような滲みるコクなのだ。
そのコクは素材の「生」の味とコラボして一層にその素材を引き立てる。今宵はそんな京料理に魅せられました。

この日のお相伴はミシュラン☆フレンチレストランのシェフも・・・なにやら薫陶せられたようで、新たにフレンチのヒントを見出されたよう。これまた楽しみですな。

ありきたりだが、スイーツ番長も日本人なのだなぁ・・・そんな思いの素材引き立つ滋味深きコクであった。
いやぁ、ホントこの日は「美味しんぼ」の世界を実体験した感じ。

(2010年東京 ミシュランガイドにて☆☆となりました。おめでとうございます)

まちがっても清掃課と誤変換しないように・・・役所じゃねえんだから(笑)。

ミシュランガイドも良いけれど、こちらもおわすれなく↓
スイーツ番長 著/手みやげスイーツ100選 一度は食べたい絶品スイーツ・首都圏版


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ちなみにこれは銀製の楊枝入れ。裏をみたら、島津藩の紋章が・・・カッコイイ(笑)

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22000円のコースのみ

所 在 地:東京都港区南麻布4-2-34 天現寺スクエア1F
電話番号:03-3473-3103 (要予約)
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