まだ松の内ということで、お菓子神様を祀る神社へ初詣してみよう(笑)。

男のスイーツbyスイーツ番長

市内のビルと住宅街の狭間、小さな境内の漢国(かんごう)神社の一角にこれまた小さい神社がある。
日本で初めて「饅頭」を作り販売した林浄因を祀る林(りん)神社
林浄因は元(中国)の僧侶で南北朝時代1349年日本に渡来。
奈良に移り住み、肉食のできない僧侶らのために、小麦粉の生地で野菜などをくるんだ蒸し物である中国伝来の「饅頭(まんとう)」をつくり、小豆餡をくるんだ「饅頭」が評判に。
渡来時に師従した京都の建仁寺三十五世龍山禅師を訪ねる際にも、この小豆餡をくるんだ「饅頭」を持参すると、その評判はやがて足利将軍家に届き、後村上天皇に饅頭を献上するまでに至る。それが御意にかない、これが縁で宮中に使える女性を下賜され、この時の結婚祝いとして紅白饅頭が配られた。(現代でも続いている慶事の紅白饅頭の始まりといわれている。)


その紅白饅頭一組を、子孫繁栄を願い漢国神社の片隅に埋めたところが「饅頭塚」として、大きなお饅頭の石が今でも残っています。
男のスイーツbyスイーツ番長
そして子孫が三河国の塩瀬村に移り住み塩瀬氏を名のり、応仁の乱(1467 応仁元年)後に京都烏丸三条(現在の京都市中京区饅頭屋町はここからきている)饅頭屋を営み、八代将軍の足利義政より「日本第一番本饅頭所林氏塩瀬」の看板を授かる。それが現代まで受け継がれている、塩瀬総本家http://www.shiose.co.jp/なのです。
現在は塩瀬総本家は東京に店を構えています・・・う~っ!こんな壮大な物語を知ると、早く塩瀬のおまんじゅうが食いたい。近いうちに行かねば(笑)。。。

林神社は昭和53年から田道間守を合祀して、お菓子の祖神として益々パワーアップ。
田道間守とは、以前記事http://ameblo.jp/otokonosweet/entry-10086198193.htmlで触れた、「非時香具果(ときじくのかぐのこのみ)」を日本書紀の中で垂仁天皇に命ぜられ持ち帰ってきたとされる人です。

ちなみ漢国神社は593年創建といわれ、藤原氏に崇敬されたとされる奈良でも最も古い神社。
毎年4月19日に「饅頭祭」が実施され、多くの製菓業者で賑わいます。

漢国神社(林神社)饅頭塚
所 在 地:奈良市漢国町6番地
電話番号:0742-22-0612
開門時間:6:00~18:00 境内自由

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