さて先週は

現在メンテを行なっているカール・ハートの

内部クリーニングへ伺いました。

 

 

 

 

カール・ハートは往年のピアノ製造メーカー

福山ピアノが生み出したピアノです。

 

 

約2年前にも

これより更に古いカール・ハートを

メンテナンスさせていただきました。

 

メーカーやピアノについては

その時の記事に詳しく書いてますので

ご興味ある方はどうぞ。

↓  ↓  ↓

 

 

今回のピアノは

過去にご親戚から譲り受けたピアノと

お聞きしました。

 

お母様や娘さんも弾いてこられ、

最後に調律をしてから

長く弾かない期間が続き

軽く20年は経過しているのではと。

 

最近3歳のお孫さんが

小さなピアノを楽しく弾く姿を見て

このピアノを弾ける状態にして

孫に弾いてもらいたいと思ったそうです。

(*≧∇≦)ノ異議なし

 

またリトミックお教室の先生も

将来的には弦のピアノを

弾くようにしたほうがいい

とのアドバイスをもらったそうです。

(*´▽`)ノ異議なし

 

 

ピアニストの辻井伸行さんも幼少期にミニピアノを弾いていたそうです。

 

 

今回のカール・ハートのボディは

イースタインBのように

丸みを持ったデザインです。

 

 

↑カール・ハート

イースタインB↓

 

中を見ると

鉄骨デザインなど

とても凝ってます。

 

今はこんなこと欧米などの特注品でないとまずやらないでしょう。

 

福山ピアノという会社は

なんと1900年(明治33年)の設立です。

鉄骨にその証が刻印されてました。

 

1900年というと

ヤマハが国内第一号となる

アップライトピアノを製造した年として

我々には認知されています。

 

福山ピアノはその年に設立され

最初はオルガンを製造していました。

社名も福山オルガン製作所といいました。

 

1900年設立!

 

 

他にも面白いのは鉄骨に

ユニバーサルピッチの440Hzという文字が

刻印されていることです。

 

調律カードなどの記録は

当然というべきか残されていないので

何年製造個体かわかりませんが、

ピアノの国際標準ピッチとして

440Hzが正式に定められたのが

1953年(昭和28年)なので、

このピアノはそれ以降に製造された個体

ということにはなります。

 

件の2年前にメンテしたカールハートは

昭和29年製造だったと思います。

今回のカールハートの"かんじ"から

さすがに70年前の個体とは考えにくく

それよりは数年新しいと思われます。

 

 

鉄骨にユニバーサルピッチ440Hzの刻印。

これはいやでも440Hzで調律せねば。

 

2年前のカール・ハートよりすっきりとまとめられた印象。

 

エンブレムもよく見る最終形?のもの。

 

ペダルを調整するネジのデザインが

またシャレオツではないか。

 

こういうのもあまり見かけない。

アップ↓

特許を意味する"PATENT"の文字と特許番号?が誇らしげに刻印されている。

言わずもがな鍵盤は象牙。

 

 

鍵盤下。これはキレイなほう。爪楊枝が入ってる意味はわからない..

キラキラ

 

ペダルはすでに3本なので驚くほど古い個体ではなさそう。

キラキラ

 

 

チューニングピン、まっくろくろすけ。** * * **

キラキラ

 

弦はあまりガリガリ磨かずサビ除去はこの程度に留めます。右側がアフター。

 

手が入らない場所は工夫してなんとかするべし。

 

 

作業場ではカール・ハートの

アクションメンテが続いてます。

 

すごいシミですアセアセ

アフター。最低これくらいまではキレイにしたいところOK

 

 

 

これらアクションパーツの

シミやカビ除去が全て終わった後に

やっとパーツ交換ができます。

 

 

 

 

今日も僕のブログを読んでくれてありがとうございましたm(__)m

 

OTO

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