カワイBL71の納品が無事終了しました。

 

 

 

 

製造後48年というと

僕が携わらせていただくピアノとしては

比較的新しい部類です。

 

がしかし全てバラしたり、

組み立てたり、

調整をしてみると、

驚くほどいろいろと問題は

出てくるものです。

 

部品交換については前回書きました。

アクション調整については

ピアノの各パーツというのは

決められた正しい位置に

各々セットされなければならず、

ことごとくそんなものばかりです。

 

ハンマーについて、

最高のパフォーマンスを発揮させるには

適度な柔らかさや硬さ、弦溝など

最適なハンマーのど真ん中で

弦を打たなければならない、

ということはもう過去に何度も

ここに書いてきました。

 

 

弦の右側で打っている。これはNG。

 

いずれにしてもこの弦合わせは

なかなか"クセ"のある作業です。

 

ハンマー先端が僅かに左に曲がっている。これもNG。

 

 

また鍵盤の先端についている

キャプスタン(パイロット)というパーツが

正しくアクションへその力を伝達するための

正しい位置があります。

 

これがもうほとんどのケースで

おもしろいくらいにズレています。

見逃されがちですがこのパーツこそ

一番最初にアクションに触れる部分なのです。

 

このパーツはまず、

真上のウィぺンというアッセンブリの

底の部分を鍵盤と連動して

激しく突き上げます。

故にここはズレるのです。

特に一番大きな3型のアップライトは

構造上その頻度が高く感じます。

 

このパーツを前後に微妙に調整して

鍵盤のタッチ(軽い、重いなど)を

調整することもあります。

 

がしかし左右は必ずど真ん中に

セットされなければなりません。

この位置をピタッと合わせるだけでも

かなりタッチが整います\_(`o´)ココ!

 

しかもこの調整は

アクション調整の中でも

比較的簡単な部類です。

なのにバラバラなことが多いのです。

 

左右にズレてたり、極端に前後にズレてたりします。

 

 

鍵盤の高さや深さの調整も

極めて重要です。

 

自分の経験上、

白鍵はまぁまぁ合っているのに、

黒鍵がひどくバラついている

というケースが少なくないと感じます。

 

黒鍵の高さは白鍵上面から

基本12mmの高さに合わせます。

がしかし今回は全ての黒鍵が

過去一のレベルで低かったです。

 

このような場合は

ほとんどのケースで深さも

厳密に調整されていないことが多いです。

今回も実際にそうでした。

 

鍵盤の高さや深さは

タッチ(弾き心地)だけではなく、

音響にまで影響するというのが

ピアノという楽器の奥が深いところです。

 

 

ゲージと黒鍵に隙間があってはダメ。これだけ低いのも珍しい。。

 

 

さて夕方遅くに調律まで終わり

ピアノに触れた二人の娘さん

それは大喜びでした。

 

 

バイオリンの練習が忙しく

ピアノから少し離れていたお姉さんは

これを機にまたピアノの練習も

頑張ると笑顔で約束してくれました^^

 

 

お姉ちゃん

 

同じくバイオリンが大好きな妹さんも

生まれ変わったピアノが相当嬉しいご様子で、

これからは間違いなくピアノとの時間も

大切にしてくれそうな雰囲気でした。

 

 

妹さん

 

パパさんはお留守でしたが、

パパさんが使っていたピアノですので

これからも大事にずっと趣味として

弾き続けていただきたいです。

 

 

お母様は幼少期に

ピアノを弾いてたこともあり、

ご出産の後に再チャレンジした

時期もあったそうです。

 

ただ子育てなど多忙につき

なかなか続けることが

難しかったようです。

 

しかしこれを機になんと、

新しい楽譜をご購入されており

やる気満々です!

 

 

これからは、

音楽と対話する自分だけの時間も

ひっそりのんびり

楽しんでいただきたいです。

 

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

さてメンテナンスは続くよ

どこまでも、、

 

ということで

僕のこれからの時間はというと..

 

次に待ち受けるのは

新しい年が始まったというのに

もう十分ヘビー級な2台に

なるかもしれません。

いや間違いなくなります。

 

ヒントはこのエンブレムです。

 

 

 

 

いずれも過去に

弊社でメンテナンスしたことがある

国産ピアノになります。

 

乞うご期待..

 

 

 

 

 

今日も僕のブログを読んでくれてありがとうございましたm(__)m

 

OTO

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