皆さん年の瀬です。大掃除です。

 

僕は毎年この時期は自分の家を掃除せず人様のピアノばっかり大掃除してます。特に今年は師走に入ってから調律に伺えない状況の中ピアノの大掃除となっておりそのまま年越しとなりそうな気配。現在は目下カイザーというピアノのワインレッドカラー版と格闘しておりますアセアセ

 

 

 

 

ところで、みなさんは「ピカール」という液体の金属磨きをご存知ですか?


ピカールは金属磨き用途のモノとしては最もメジャーなのではないでしょうか。買ったことのない方でもこのパッケージを一度は目にしたことあると思います。

 

僕はたくさん使うので4ℓ缶を買ってます。そのほうがぜんぜん安いです。

 

 

ピカールは一般的なホームセンターだったら絶対売ってます。またホームセンターでなくとも少し大きめのスーパーだったらお掃除コーナーや台所用品売り場の近くなんかに置いてあります。

 

 

写真クリックでサイトに飛べます。日本磨料工業株式会社HPより

 

写真左の茶色に見えるのがピカールに添加されている研磨剤と思われる。

 

 

 

我々調律師の作業場にもほぼ100%これが置いてあるはずです。つまり必需品です。はっきりいってOTO式オーバーホールを行う場合、これがないと全く仕事になりません上差し

 

 

年季の入った元祖「ピカールネリ」。ピカールの歴史はこれから。師匠の工房にて。

 

 

でそもそもピカールは何ぞやということですが、簡単にいうと"液状のヤスリ"と思っていただいていいと思います。

 

紙ヤスリなんかだと裏に「番手」という目の大きさ(粗さ・細かさ)が記載されてますが、この番手の数字が小さい(#40〜#100くらい)ほど粗くて番手が大きい(#800〜)ほど細かいということになります。つまりヤスリの番手が小さいほどザラザラしてて番手が大きいほとサラサラしてます。

 

 

紙ヤスリの裏には必ず番手が印字してあります。

 

 

じゃピカールの番手はどれくらいかというと、#4000〜5000くらいではないかと言われております。いや実際にはもっと細かくその倍以上あるという説もあります。液体と紙とでは比べられませんが、このレベルの細かさになると"極細目"の分類になります。故に真鍮や金属を磨いても傷がつかず、逆に金属の表面にこびり付いている細かい腐食や汚れの膜なんかを取り除けるのです。

 

ゴルフクラブなんかもうピカピカになりますよお父さん。あと水道の蛇口とかやかんなんかも本当に光りますよお母さん。まさにピカールです\_(`o´)ココ!

 

メーカーのHPから。

 

 

しかもピカールが優れている点は、様々な大きさの粒子が含まれているとのことで中目用途から細目の仕上げまでこれ一本で行えることです。紙ヤスリや金属製のヤスリだとその都度番手を変えなければなりません。

 

ただ腐食やサビが激しい場合はピカールでは落ちません。僕がよく行うペダルの研磨を例にいうと、最初の段階からピカールで研磨しようとするとものすごい時間がかかってしまい現実的ではありません。この場合あくまでピカールは仕上げ用途です。

 

 


↑ここまでいくとピカールでは無理です。日が暮れます。

 

このレベルでもピカールだけでは厳しいです↑↓

 

 

ピアノのアッセンブリには金属部分が多くあり古いピアノの場合大抵うっすらとサビが浮いてたり曇ったりして輝きを失っています。こんな時はピカールが大活躍します。

 

 

このレベルのサビは金属ヤスリ→ピカール。

このサビは取らない人もいますがちゃんと取り除くのが正しい。

 

最後は綿棒などでキレイに拭き取る。

 

キラキラ

 

↑↓ビフォー(左) キラキラ  アフター(右)↑↓

 

ダンパーの雑音を生むスプーンの汚れも激しい腐食がない時はピカールで磨きます。

 

↑ビフォー(左) キラキラ アフター(右)↑

 

アッセンブリを固定しているビスなんかも仕上げにはピカールが大活躍します。

 

キラキラ 

 

 

ところで!一仕事終えた後はお疲れ様のビールなどを作業場でいただく時もたまにあります。お気に入りはコロナビールなのですが、最近はアサヒのTHE RICHという銘柄の(発泡酒というのでしょうか?)を飲むことがあります。

 

ただこれ気をつけないとパッケージの色味がピカールと少し似ていて、酔っ払うと間違えてピカールを口に運びそうになることありますアセアセ

 

写真だけ見ると「大して似てないじゃん」と思うかもしれませんが、お酒に弱い僕は一本でほろ酔いとなり判断力が鈍るのです。だからこの組み合わせは僕にとってはかなり危険なのです\_(`o´)ココ!

 

 

 

みなさん良い年末年始を。。

 

 

 

 

 

 

今日も僕のブログを読んでくれてありがとうございましたm(__)m

 

 

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