調律に伺ってお客様から受ける質問で多いのが、

 

ピアノの音が直ぐ狂う原因

 

についてです。

 

その回答になる内容の記事を、

実はこのブログを始めるにあたって一番最初に昨年書きました。

 

おさらいで簡単にいうと、、

ピアノの弦を一定の位置に保持しておくための

チューニングピンという大事なパーツが緩くなってくることがあります。

 

調律していても、

ん~~~きっともうこれ以上は音が保持できない、

 

ムリ!

 

という場合があり、

私はそのような時は必ずお客様にお伝えするようにしております。

 

なぜ私はと書いたかというと、

調律だけして黙って帰られてしまう同業者の方々もいらっしゃるからです。

 

 

 

これが音の安定を担っているチューニングピンと、ピンを支えているピンブッシュという部品です

 

 

 

今回のこちらのお客様、

以前調律した時、調律代金がなんと

 

35,000円也!

 

だったそうなのです。

アップライトピアノでですよお客さん!

 

こちらのピアノの低音部のピンは

正直壊滅状態でまったく音が保持できない状態でした。

 

どれくらいの状態だったかというと、

調律してもチューニングハンマー(ピンを回す道具)が

その場で正しい方とは逆方向へものすごい勢いでバーと戻ってしまうほどです 汗

これはもうムリです。残念ですが楽器として成立しません。

 

で更に問題なのは、

その同業者の方はそのことを全くお客様に伝えず

調律だけしてご帰宅された点です。

35,000円也を持って..えー


 

 

元のピンより僅かに太いピンを打ち込みます

 

 

お客様はその調律料金の高額なことに驚いただけでなく、

調律したのにまた直ぐ音が大きく狂ってしまったことにも驚き、

「ピアノの調律ってこんなものなのかなと。。」

とそう思ったそうなのです。

 

ピアノの調律に伺った際には、

調律やその場で出来るメンテナンスやお掃除以外にも、

ピアノのコンディションを正しくお伝えするのが義務だと僕は思っております。

たとえそれがお客様にとってあまりいい内容でない事であったとしても、です。

 

なぜなら、

ピアノという楽器はユーザー様自身では調律はもちろん、

メンテナンスなどをすることがまったく出来ないという珍しい楽器だからです。

 

だから、

調律の際には一言

 

「ピアノの状態はどうですか?」

 

と逆に調律師にきいてみてください。

 

 

今回交換したチューニングピンとピンブッシュ

全体に緩いため将来的には全てのピンを少しずつ交換する予定。そのため色の違うピンを選択。

 

 

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今日も僕のブログを読んでくれてありがとうございましたm(__)m

 

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