調律したばかりなのにすぐ音が狂う。。
そんな経験をした方、渦中にいる方、
いらっしゃると思います。。(。_゚)?
ピアノの音が狂う原因は、実はいろいろな理由があります。
中でも通常ピアノの音が狂う主な物理的要因は、、
1本約80kgの力で引っ張られている弦が
演奏によって繰り返し激しく打弦されるためにその張力が少しずつゆるみ
引っ張られてるのとは逆の方向に戻ろうとする運動を起こすため
とされています。
ドレミの音階を維持したまま全体に
ピッチが下がったり上がったような気がする場合は、
湿度や温度など環境の変化によるものと考えられます(特に湿度)。
じゃあ、調律をしたばかりなのにすぐ狂うのはどういう訳か。。(゚_。)?
この場合の狂うとは、、
今まできれいに鳴ってた音が、どうもワーンワーンといった、
ちょっと気持ち悪いような音になってしまう、
といった音の狂いを指しています。
その原因は一般ピアノユーザーにはあまり知られていません。
大きく分けると二つあります。
一つは前回の調律から何年もの間ブランクが空いている場合や(大抵ピッチが下がる)、環境など様々な事情によって音が大きく上がり過ぎている場合です。このような場合は調律によって弦を大きく動かしますので、元にあった場所に弦が戻ろうとしたり逆に上がろうとします。ただこの場合はランニングコストはかかりますが、短期間に調律を繰り返せば音は安定してきます。
でピアノの音が狂うのにはもう一つ深刻な理油があります。それは、、
チューニングピンの弛(ゆる)み
によって音が狂ってしまうのです。このピンが弛む状態を我々調律師は
「ルーズピン」 「ピンズル」
などと呼んでおります。
ピアノの弦は、
多数のチューニングピンという金属製のピンに一本ずつ巻きつけられております。
外側から見ただけではわかりませんが実はこのピン
金色に光る鉄骨の下に隠されている
ピン板
という分厚い木の板に打ち込まれております。
その木の板が様々な要因(劣化や過乾燥その他)によっていい状態でなくなると
チューニングピンは弦の強い張力に耐えられなくなり弛んでしまうのです。。
↑
この銀色の工具を使ってトンカチで弛いチューニングピンを打ち込みます (゜o゜)
打ち込める範囲にも限度があり何気にデリケートな作業になります。。
軽度のピンズル状態のピアノは、
実はすごくたくさんあります。
それほど弛いと感じないピンでも
微妙にピン板がヘタっていてすぐ音がズレてしまうことや
音が安定せずに調律がすごくし難かったりします。
改善方法はいくつかありますが
写真の太い金属の道具でピンの頭を少しだけ打ち込む方法が
とりあえずの一般的な方法です。
それで改善される場合は、ラッキーです。
それでも改善されない場合も当然あり、
それはアンラッキーです。。
ピンズルが酷い場合は
調律しているソバからピンが逆方向に回ってしまう ものもあります。
そうなるともうかなり致命的で、チューニングピンを太いものに変えたり、
そのピンと一緒に別のパーツを交換しないといけなかったり、それでも駄目な場合は、
中古ピアノが買えてしまうほどの金額での大修理が必要になってきます。。
なので特に中古でピアノの購入を考えている方は
外装がピカピカなピアノでも一言販売員に、、
「チューニングピンの弛み具合は問題ないですか?」
と聞いてみてください。
そんなこと聞く購入者はあまりいないので (でもすごく重要!)
ピアノ販売員はきっと驚くはずです( ̄□|||| オキャクサマ..
ピアノの音が今一つ安定しないピアノで悩んでいる方は
一度このピンズルを疑ってみてください。
チューニングピンの安定は
ピアノの音を安定させる為の要となる重要なファクターです。
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