全国各地の温泉のパンフレット。ポスターも壁にずらりと貼られていて、日本には本当に温泉が多いのだなと実感します。岩手県の夏油温泉は「かゆ」と読むのかと思ってましたが「げとう」なのですね。呪術廻戦で知りました(笑)


( * ̄▽ ̄)v- 温泉地の風景印。そこ特有の消印があり、戦前のものが展示されてます。湯治先から葉書や手紙を出すって風情がありますね。今はLINEスタンプとかあるのかな?


 温泉の熱水がつくる鉱物の展示も充実してて、綺麗なものも多いです。これは立山温泉の温泉湖の周りにできた玉滴石で、化石由来ではない天然のオパール。熱水に溶けていたシリカが砂粒の周りで固まってできた粒で、白や透明の丸い粒々になってます。


( * ̄▽ ̄)v- 魚の卵みたい。砂粒が核になった小粒の真珠みたいすね。乾燥剤のようにも見えますが、ルーペで拡大すると透明で綺麗。シリカとは二酸化ケイ素のことで、シリコンの原料になるもの。鉱物では水晶の主成分で、なるほどと思う透明さです。こちらは水溶性のシリカが凝ったもので成り立ちは違うけど、鉱物も火山活動で生じた熱水から生まれるものが多いすね。


 これは炭酸カルシウムの沈殿物の石灰華。石灰岩から成る鍾乳洞には鍾乳華がありますが、似て非なるもの。鍾乳石は石灰岩からしたたる水に含まれたカルシウムが少しずつ固まって生まれますが、こちらは温泉の中で堆積して出来たものです。やはりと言うか白いすね。


 温泉の飛沫が石や木の葉にかかり続けるとこの石灰華にコーティングされ化石みたいになるのだそう。こんなふうになるのですね、本当に化石みたい。


 何だか美味しそうなこれは球状方解石。方解石は炭酸カルシウムから成り、石灰岩の主成分。純度が高いと無色透明の結晶になりますがこんな丸いものにもなるのですね。これに似せたお菓子ができそうです。


 そして温泉と言えば硫黄のかほり。純度が高いと樹脂光沢のある透明なもので、燃やすと青い炎を上げて硫化水素などのガスを発生させます。温泉のかほりはそれに依るもので、秘湯ファンの中でもコアな方はガスマスクを着けてヤバい温泉に浸かりに云ったりされますが、そこまでして入りたいのかと小一時間。尊敬しますわ。


 これは温泉沈殿物ではなく、熱水によって生まれる鉱物の水入り瑪瑙。鉱物ファンには人気がありますね。瑪瑙ができる時に内部に熱水が閉じ込められて冷めたんすね。不思議で綺麗です。


 ブラジル産の透明な石膏。石膏は硫酸カルシウムが主成分で、日本ではこんなに大きなものは採れないと思うけど透明なものもあるのだそう。石膏像やセメントの原料で、純度が高いとガラス光沢のある透明な結晶なのだそう。ほんとにガラスみたいすね。


 日本でも産出する紫水晶。ブラジルとかボリビアとかでは大きなものが採れます。透明度が高く色の濃いものほど高価ですが、これは半透明の藤色が美しい。展示物には自然金もあり、火山活動っていろんな鉱物を生むのだなぁと実感します。


( * ̄▽ ̄)v- これは金山町の笹洞蛍石鉱山で採れた蛍石。主成分はフッ素で、含まれる他の成分によっていろんな色になります。ここではブラックライトを当てて光るのが見えるようにしてました。蛍石は鉄鉱石の溶剤やレンズに使われる工業用の鉱石で、割とあちこちの鉱山で採掘してました。笹洞鉱山は今は閉山されていて、時々ミネラルハンティングツアーがあるみたい。掘り残しの蛍石を少し持ち帰れるそうですが、鉱山跡どこやねん。たぶん普段は入れないような気がします。


 あと何かグロい感じなのはバイオマットの複製。温泉には微生物がいるらしく、それが岩石を覆って膜になってる事があるんですって。エイリアンが生まれそうじゃないですか?  これが平湯温泉にあるのだそう。脈打ってそうで怖い(涙)


 温泉に含まれる成分一覧。みんな白い粉なのね。食塩や重曹もあるのかー。これは見た目では区別がつきにくいなぁ。
 

 各地の温泉の湯が標本になっていて、それぞれに沈殿物が違うのが面白い。いろいろ成分が違うのですねぇ。


 含まれる成分のうち溶けないものを乾かすと湯の花になる。山形県の蔵王温泉と八甲田山の酸ヶ湯温泉のものを指につけて嗅いでみたら、ほのかな硫黄のかほりがしました。天然の入浴剤ですね。貴重なものだわ。


( * ̄▽ ̄)v- そして温泉と言えばアクセサリーを着けて入るのはNG。湯に含まれる成分で化学変化を起こして変色してしまうんすよね。これは着けて入ったのでなく、温泉街の貴金属店のショーウィンドウに陳列していてこうなったとか。長崎県の雲仙温泉すごいわー。温泉街に火山性ガスが漂ってるんすね。ここはそういうのは無いんだろうか?


 貴金属を劣化させる温泉の湯は工芸品にも用いられていて、ガラス瓶に降りかけ続けるとこうなるんですって。焼き物みたいになりますね。


 草津温泉ではガラス工芸品を作る時に湯の花や温泉水を混ぜてまろやかな色合いの器や箸置きを作ってるそう。青や緑がかった乳白色がいいですね。ここでは作れないのかなぁ? いいものですよね。