( ; ̄▽ ̄)v- 昨日の夕方は玄関前にマムシで散々でしたが、午前中は爽やかでした。セルフ誕生祝いに思い立ったのは下呂温泉で、いつもは飛騨小坂などに行く時に通りすぎる温泉街のそぞろ歩きへ。温泉街を抜けていちばん高いところにある温泉寺の駐車場に着いたのが朝9時すぎ。向こうに見えるのが老舗旅館の湯之島館で、ここと旅館の駐車場は下呂富士(中根山:767m)の登山者が使ってよい事になってます。登山口はここから600m先で、立派な湯之島館を「うわー・・・」と眺めながら行けます。泊まるには敷居が高いすね。



 これは萩? もう咲いてるのかと驚きました。この日は東海地方がやっと梅雨入りで、昨年より20日以上遅かったです。午後から晴れる予報でしたが小雨の温泉街も悪くなし。


 駐車場の下には楓月庭という庭園があり、お寺の敷地です。紅葉の名所で秋に来ると綺麗でしょうが夏の青紅葉もなかなか。薄暗いので街灯がついてましたが、これも風情がいいっすね。


 温泉街は人も車も往来があって賑やかだけどここは静か。シャクナゲもたくさんありますが、さすがに花はもう終わってました。


 木立の切れ間から臨む境内と温泉街。昔は湯源は湯ヶ峰(1067m)にあったけど、今は温泉街の間を流れる益田川に変わったそう。山の中に湯源跡がありますが、近くで鹿がくくり罠にかかっていて、周りにも罠がありそうだったのでそれ以上登らず隣の下呂御前山(1411m)に登りました。下り口を間違えて国道沿いに7km歩いたのはいい思い出ですキリッ!!


 久しぶりに来たら看板が増えていた。下呂温泉は湯源が益田川に変わったのを白鷺が伝えてくれたという言い伝えがあり、トレードマークのようになってます。銘菓はしらさぎ物語。あと他県の方には別のインパクトがありそうな「下呂の香り」とか下呂牛乳もオススメですが、温泉街に行ったら更にいろいろ攻めてきてました。いちおう地名には上呂と中呂もあり、中呂だけJRの駅がありません。


 楓月庭に下りるところには大乗妙典塔がある。これは江戸時代に遠方から湯治に訪れた人々が小石に経典を一文字ずつ書いて奉納したところで、温泉寺のご本尊は薬師如来なのでまさにという感じです。


 昔は下呂温泉が日本三大温泉のひとつとは知りませんでした。特に栄えたのが江戸時代の中頃から終わりまでで、各地から多くの人が湯治に来られたそう。なまじ近いと来ないもので、実は私は1度もここの温泉に入った事がなかったです。むしろもっと先の奥飛騨温泉郷とかでしたね。


 この石塔の下にたくさんの小石が納められてるのだろうか。温泉地に歴史あり。


 句碑もあります。


 そして野仏。温泉寺は臨済宗妙心寺派で江戸時代の寛文年間に再興されたそうですが、この石仏のお坊さんは独鈷杵を持ってますね。お寺の近くには役小角を奉じるお寺?もあり、古い時代には修験道が盛んだったかも。


 楓月庭の大きな紅葉の下をテクテク下る。朝は肌寒いくらいで気持ちのよいところでした。


 道すがらにいくつも野仏があり、誰かの落とし物の眼鏡が何か可愛い。「ワシかけられんがな」という風情でした。


( * ̄▽ ̄)v- あ、一重咲きのクチナシだ。千手観音?の傍らに青々とした葉と白い花が雨に濡れてつややか。甘い香りもしてました。


 八重咲きが好きですが、一重咲きもよく香ります。ここから何ヵ所も植え込みがあり、梅雨の時期にアジサイと並んでふさわしい。小雨や曇りの日にいっそう香ると思います。


 おお、やっと南天の花も開花かぁ。雨露がきれいに撮れました。


 何か難しいことが書いてある。雨に濡れた紅葉の幹がやけにつややかに見えました。葉はまだ淡い緑のところが多くて柔らかそう。


 境内に下りる途中に「水屋」がある。丸木をくりぬいた水舟に山の水が注いでいるもので、中央に山の神が祀られてます。


 上の屋根は栗の木板を葺いたもので、これは飛騨地方特有なのだそう。郡上八幡だと町の中に張り巡らされた水路をセギ板でせき止めて野菜や洗濯物を洗う場所が設けられてますが、こちらは水船に水を溜めてかけ流しにしています。水のきれいな所ならではです。


 水神や氏神と刻まれた石が周りにあり、竹筒を通る水は冷たいです。下呂温泉は旅館前の水鉢に注いでるのが温泉だったりするけどここは清水です。下呂富士に登った時は、下りてきて湯之島館の玄関前の水鉢が涼しそうだったので手を浸しておののきました(笑)  源泉はけっこう熱めです。

 お稲荷さんもある。青紅葉に赤い鳥居は映えますね。


 もともとお寺の鎮守としてあったものが神仏分離令で近くの若宮八幡宮に移され、また再びここに戻ってきたのだそう。県下でもっとも廃仏毀釈が激しかったのは東濃の苗木藩だったそうですが、範囲が広くて東白川村まで厳しかったかな?  これを見ると飛騨もそれなりに廃仏毀釈まで行かなくても影響はあったよう。廃仏毀釈には地域によって差がありました。


 楓月庭から見るお寺の渡り廊下。下に池があり、向こうに鐘突堂があります。渡り廊下の格子戸がいいっすね。禅宗は庭園に凝りますが、ここは本堂裏の楓月庭が広くて素敵です。