(*  ̄▽ ̄)v- それでは発掘開始。まずは詳しい場所が熊本県に土地勘がまったく無い私には見当がつかなかったのですが、天草四郎の埋蔵金伝説があるのは天草諸島の上島と下島にまたがる地域なのですね。


 暗号の刻まれた金メッキの十字架が見つかった老岳は上島の有明町、埋蔵地と目される三角池(柱岳山麓)があるのは下島の河浦町で、どちらも今の天草市なのだそう。八重野氏が発掘場所に定めたのは下島の北西部にひとつだけある天草郡苓北町の茶屋峠付近だそうです。



 1974年に八重野氏が初めて訪れた時は当時の第一人者の畠山清行氏が探索をされており、八重野氏のサイトに記録がありますが現地の歴史や風土を分かりやすく臨場感のある文章で書かれてます。pdfでとても長くて転載できませんでしたが引き込まれる内容でしたね。畠山氏は1991年に亡くなられており、北海道出身で戦史研究家かつ埋蔵金研究家だったそう。日本の埋蔵金研究のパイオニアだそうです。

 この図だと街道とあるのは今の天草市下島北部広域農道かな? 70年代に調査された区域から奥に上空から見ると三角形の湿地帯があり、そこが三角池のよう。初日はその長さ80mの区間を金属探知機で探りました。


 現地は鬱蒼とした林の中で、昔は池だったのか水はけが良くないところのよう。瑞浪市の屏風山中腹の黒の田湿地の周りにもこういう場所がありますが、林の中の湿地で足がズボズボ沈むため、板を道代わりにして前進してました。とても地道な作業で、埋蔵金探しって大変だなぁ。金属探知機は重さ6kgで、板もその都度前進させながらの探索なので体力的にもしんどそうです。


 八重野氏はここを400年前に埋蔵金が埋められた後に土が堆積した池と考え、奥の方よりも真ん中辺りが本命だと語られました。そこがかつての池の中央部分にあたるのかな?  氏いわく「奥の方は逆に目をつけられやすい」そうで、素人目には街道からそんなに離れてないからどうなんだろう?とは思えました。ここの土は400年で20cmしか堆積してないだろうとの推定だけど、地形の変化で地表に出て来たりしないのかな? 元の池がどのくらいの水深だったかは知りたいですね。


(* ̄ー ̄)v- 原城の籠城戦の後半は完全な兵糧攻めで、幕府軍は城内に探索者を放って兵糧が残り少ない事を把握したり、海沿いの断崖から下りて海藻を採る者を捕らえて胃の中にもう海藻くらいしか無いのも知っていました。城は包囲されていて、果たしてそこから財宝を運び出す事ができたんだろうか? どの段階で財宝が運び出されたのか、その辺の資料も欲しいすね。

 探索を始めると金属探知機に反応あり。探知機は地中の金属が浅いところにあれば音が大きく、深いと小さな音が鳴るのだそう。音には強弱があり、進むごとに異なる反応がありました。


 山国育ちだといささか懸念もあり。山ってけっこう金属が落ちてたり埋まってたりするんすよね。里山なら山仕事の人が金気のものを遺棄してたりするし、今は厳しいけど医療廃棄物とかをまとめて捨てたり埋めたりしてる。けど探知機の反応があった場所を図で表されるとワクワクします。特に八重野氏が本命と考えた真ん中辺りに複数の反応と来ればたぎりますわぁ。


 これは「TODAY IS THE DAY」来るか?  八重野氏は体力的にしんどそうでしたが、とても感慨深そうでした。あっゾーンに入った。「400年だもんなぁ・・・目覚める時ですよ。400年後の世界を見せてあげよう」と財宝に向かって語りかけておられました。初めて埋蔵金の世界に触れて50年。脳裏にいろんな思いが去来してそうでした。


(* ̄ー ̄)v- ここで無粋な復習ですが、埋蔵金を掘り当てても必ずしも自分の物にはならないんすね。日本の法律では「所有者の子孫が存在すれば全て子孫の物になり、発掘者は5~20%の請求権を得る」。そして「所有者が分からない場合は地権者との折半になる」。発掘費用に見合うかどうかは微妙ですよね。


(* ̄ー ̄)v- さらに大きいのは「歴史的に貴重な遺物の場合、埋包文化財としてその自治体が管理することになる」。ここでは天草郡苓北町の管轄になるそうで、八重野氏はそれは度外視だと語られました。「これまでに小判1枚見つけた事は無いですが、埋蔵金を見つけて世間をあっと言わせたい。ここでは僕あるいはTBSの発見者としての功績を後世に残したい」・・・・・・凄いですねぇ。何かとコスパを重視する世の中で、割に合わないかもしれない事に情熱を持ち続けるのは難しい。


 初日は金属探知機の反応があった場所にポールを立てて掘るのは翌日。八重野氏は「掘って何も出なければ埋蔵金伝説はなかったとケリがつく。諦めることができます」と語られました。たとえ無くてもケリをつけたかったのですね。埋蔵金探しそのものでなく、全ての始まりのここでそうする事がひとつの総決算なんだろう。出てきて欲しいなぁ・・・・・


 翌日  発掘現場に向かう車にまさかの破裂音。タイヤがパンクしてしまい、これは財宝が掘られるのを拒んでいるのか?  八重野氏は「そういうものです」と余裕でしたがそうなのか。ちょっとワクワクしましたね。新たに車を手配したのか、予定通り発掘が始まりました。


 池の入り口からスコップで泥を掘り始め、探知機の反応があった箇所から最初に出てきたのはコーヒー缶。1980年代のものでしたが探すのは江戸時代の埋蔵金。ええととりあえず山にゴミを捨てるな持ち帰れ。


 八重野氏の本命の真ん中あたりでも3つの反応うち2つは空き缶とフタ。これでも金属探知機がギュインギュインと激しく反応するとは性能良いわぁ(涙)  とりあえず山に以下同文。


  山国育ちにはあるあるすぎて歯ぎしりしましたが、おおっと!! 何やら劣化した木の板の破片が出てきたわ!? これは過去に八重野氏が見つけた「宝箱の破片?」と同じ感じ。そこは雨水が流れ込んでくる場所で、一行は板を立てて水を堰き止めて掘り進めました。


(;  ̄□ ̄)v- えっ何? ちゃんとした木枠の箱みたいなのが現れたわ!! 最初に出てきたのは箱のフタ? 八重野氏が金属探知機を近づけると、ギュインギュインギュイン!と反応してました。えっ何ニュース速報も? 今それどころじゃないわよ何それミサイル? 人工衛星打ち上げるとか言ってなかった?


 速報と画面で目が忙しい(涙)  ディレクターさん「えっ・・・」じゃないわよちゃんと伝えて!!


( ; ゜Д  ゚ )v- エッ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 ここで番組がJアラートにかき消され、以後 報道に切り替わってしまいました(号泣)  これも発掘を拒む何かの大いなる力の働きだろうか? いいえかの国のアレですね分かります。あまりにあまりなタイミングで、しばらく放心してました。

( ; ̄▽ ̄)v- たぶん財宝は出なかったんでしょうね。こちらももういい年齢だから見つかったならニュースになってると思いますが、八重野氏に発見の歓喜を味わって欲しかったです。ネットでは「どうせ無い」って反応も多かったけど、「あるかもしれない」が失われるのは寂しい事かと。クレイジージャーニーには改めて総括してほしいですね。