鬼の岩屋は入り口から階段を少し下り、あとは奥まで平坦になってます。鍾乳洞などと違うのはひと連なりの岩壁でなく、巨石がもたれ合ってひとつひとつに隙間があること。隙間にはそのまま入って行けそうなところもありますが、順路以外は危険なので通行止めになってます。



 これは入ってすぐの左手の隙間。丸みを帯びた巨岩が乗っかっていて、ここは外に通じてます。縄文時代の初めもこうだったなら住居に使えた感じですね。下呂市金山町の金山巨石群(岩屋岩蔭遺跡)や郡上市和良町の縄文洞、山県市の九合洞窟からは遺物が出てます。縄文洞と九合洞窟は鍾乳洞で、そちらは石灰岩が多い地域です。縄文時代のこの辺りはどんな感じだったんだろう? ここの岩屋は花崗岩が風化しないと生まれなかったもので、こんなふうになったのはいつからでしょうね。


 内部は踏み込むとセンサーで照明が点きますが、5分間なのでゆっくり見たり写真を撮ったりしてるといきなり暗闇になります(涙)  そうなるとスマホの明かりで入り口まで戻らないといけないので、この日は奥まで入りませんでした。イイ感じに最奥部に「関の太郎」が鎮座してますが、ここから拝むにとどめました。


 入り口の写真を再掲。時代劇の牢名主みたいすね。鎌倉時代の山賊で、その頃はもう里民(常民)と異民(よそ者)はハッキリ区別されてたので地元民から見れば鬼だったんでしょうね。昔は遊歩道なんて整備されてなかったから里まで行き来するのも大変だったかと。徒党を組んでいたとは記録に無いですが、ひょっとしたら単独の山賊ではなかったかも。

(* ̄ー ̄)v-  大和朝廷に従わず討伐された土豪は土蜘蛛と呼ばれ地域によっていろいろ名前がありますが、飛騨の豪族の両面宿儺が両面四臂の異形の怪物とされたのもそれ。そう思うと各地に残る鬼とか妖怪退治の言い伝えは味わい深いすね。ローカルなのはここの「関の太郎」のような山賊かもしれません。


 明かりが消える前に引き返し。岩屋の中から見る入り口はこんな感じです。洞穴は夏は涼しく冬は暖かいと言うけれど、ここで暮らすのは湿気がこたえるんじゃないかなぁ。


 順路の先はこう。さらに進むと小川を渡り、「神の森」から登ってひと巡りできます。初夏とか秋の涼しい季節がオススメですね。風通しが今イチで空気が籠りやすく、梅雨どきに熱中症になるのも分かる気がします。心霊スポット呼ばわりされるのはそれもありそう。


( * ̄▽ ̄)v- 私が初めてエゴノキの花を見たのはここで、きっと咲いてると思ったのですがまだでした。ここではつぼみが出来ていて、花期はこれからっすね。


 代わりにこれはガクウツギかな? 岩陰に白いヤマアジサイのような花が咲いてるのを見つけました。たくさん垂れ下がるエゴノキの花とはまた違った良さで、気づいて良かったなと思いました。
 

 日当たりのいい場所はまだまだ明るいけど、巨岩のひしめく区域は日が翳るのが早いので早々に戻りました。頭をぶつけないようにくぐります。


 程よく汗をかきながら木立を抜ける。まだ登っていく人もいて、挨拶してどんどん下りました。


 日射しの多い場所でちょっとひと休み。青葉がいい日よけになっていて、今年も暑い夏が来るけど青葉は堪能できるなぁ。ずっと上の方まで渦巻くようで、こういう眺めは見飽きません。


 本当に渓流はあまり見えなくて、水の透明度もあんまりです。瑞浪市の竜吟峡もそうですが、上流にダムができて水が澄まなくなったよう。ダムは必要でもそれだけは残念ですね。


 橋を渡ってホテルの庭園に戻る。ここまで来ると平坦でほっとします。


 呂久沢の森でもう1度ミヤマヨメナの群生を見て車に戻る。あとは急ぎ足で買い物をして家に帰りました。


 帰宅したら畑の菖蒲が満開になっていた。
似た色のタツナミソウは見られなかったけど、この季節は紫色の菖蒲も綺麗ですね。最近はすぐに暑くなるけど、今はその直前のいちばん良い時です。