( * ̄▽ ̄)v- これは先週の土曜日のプチ流れ旅。母の日の贈り物を買いに行くついでに少しだけ東濃に流れてきました。


 国道21号で御嵩町に入る。ここはもう中山道で、御嵩町にある伏見宿と御嵩宿の中間に「鬼の首塚」があります。国道沿いでバス停のそばですが、ここに鬼岩公園の「鬼の岩屋」に棲んで里民に乱暴狼藉の限りを尽くした「関の太郎」の首が葬られているそうです。



 祠の中に石碑と石塔があり、史跡として大切にされてます。棲んでいたと言われる鬼岩公園はもう少し先で隣の瑞浪市にもまたがってますが、大きな花崗岩が寄り集まった岩山です。鬼岩湯元館という温泉宿があり、東濃ならではの天然ラジウム温泉。東濃にはウラン鉱床があり、その地域の花崗岩に含まれるそう。ウランは核産業の採掘には見合わない量との事ですが、温泉として活用されてるんすね。


 鬼、鬼人と呼ばれる「関の太郎」の言い伝え。鎌倉時代に今の鬼岩公園がある次月峠の岩屋を根城にしていた山賊で、この由来書きでは不破の関(今の関ケ原町)の生まれとありますが、関市の刀鍛冶の徒弟くずれとも。イメージでは北斗の拳のヒャッハーなモヒカン雑魚ですが、在京の地頭に陳情が行って討伐隊が派遣されたとあり、かなりやらかしていたもよう。

( * ̄▽ ̄)v- この近くに蟹薬師と呼ばれる大寺山願興寺という天台宗の古刹があり今は解体修復中ですが、討伐隊がそこで鬼退治の祈願をしたら「4月の祭礼に太郎が女装してやって来る」とのお告げがあり、待ち構えて捕縛して首を落としたそう。その首を塩漬けにして検分のために京都に運ぼうとしたところ、ここで重くなり動かせなくなったので埋葬したとか。

 太郎は斬首される際に悔悛し、願興寺のご本尊の薬師如来に帰依すると誓ったそう。なので京都まで首を運ばれるのを拒んだのかもですね。お役人が雑な仕事をしたのかとは言いっこなし(笑)  鬼というものは山賊であったり漂着した外国人であったり製鉄民であったり色々ありますが、ここでは流れ者の山賊だったようです。


「草枕むすぶまもなきうたたねの  ゆめおどろかす野路の夕立」という正岡子規の句碑があり、何故ここに?と不思議だったのですが、実際にここを通ったそうです。明治24年に東京帝国大学の国文科を肺病のため中退し、故郷の愛媛県に戻る際に中山道を通ったとあり、薮原宿からたぶん太田宿までは徒歩だったよう。ここから近い伏見宿で1泊したとの事でした。病身にはかなりこたえたんじゃないかなぁ。


 そこから願興寺のある御嵩宿を通りすぎ、このまま進めば中央道の土岐ICというところに鬼岩公園の入り口があります。ひなびたドライブインが駐車場になっていて、そこから陸橋を渡ります。この辺りが次月峠で、もう瑞浪市に入ってますね。以前この陸橋の上で山伏さんとすれ違って驚いた事がありました。鬼岩公園の山登りコースの上に御嶽神社やいろんな神社(石碑)があり、そこに行かれたんだと思いますが「いろんな所に行くのだな」と新鮮でした。ここは景勝地の意味合いの方が強いような気がします。


 陸橋を下りると宿泊施設の裏通りになり、下には了山という料亭がある。近年はそこがRyo-anというカフェもやっていて、紅葉に囲まれたお洒落なお店です。まず目についたのは鳳凰の尾羽。木陰にシャガの花が咲いてました。


 続いてミヤマヨメナ。ノシュンギクとも呼び、春から初夏にかけて咲く野菊です。鬼岩公園では奥の方の「神の森」という小川沿いの森に群生がありますが、そこまで行くには時間が足りなかったのでこれは嬉しい。野菊はたいてい秋に咲くけど、これは今が盛りです。


 本来は淡紫色の花のようですが、うちの方では白い花です。同じ時期に咲く紫色のミヤコワスレはミヤマヨメナの色の濃いものを品種改良したものだとか。切り花にしてもよく保ちますね。ミヤマヨメナは公園の入り口にも年々増えてきています。


( * ̄▽ ̄)v- クリオネのようなユキノシタの花も咲いてました。ユキノシタは民家や温泉宿の庭先にも多く、葉を天ぷらにして出しやすそう。うちも昔は庭にあり、よく食べてました。花は何だか「ハーイ!」とでも言ってそう(笑)


 ここが「呂久沢の森」のもみじ谷。ここを登っていくと隠れ家的なカフェがあります。梅雨どきにはたくさんのアジサイが咲くところで、少しひなびた鬼岩温泉に若いカップルとかが来るようになりました。カフェは国道沿いに駐車場があり、そこからだとすぐ行けます。こちら側はワンちゃん連れだと通行禁止なのが残念かな。


 随所に鬼がいます(笑)  鬼の伝説があるのと東濃は焼き物の産地なので鬼面に技アリ。後ろには既に大きな花崗岩がドン!ドン!と積み重なっていて、沢になってます。


 ここにもミヤマヨメナの群生があり清楚かつ華やか。下呂市金山町の横谷峡にも咲きますが、群生はここの方が見事ですね。初夏に似合う眺めです。


 ここはミヤマヨメナの他に紫色のタツナミソウが多いのですが、この日は時期が合わなかったのかひと株もありませんでした。足元のあちこちに咲くのに遅かったのかな? それも目当てだったので残念でした。


 寄り集まった巨石の間から沢の水が流れ出していて、冷風が吹いてきてました。巨石は奥の方はもっと巨大で切り立つレベルになり、ここはまだ入り口。この日はここから下の舗装路に戻りました。


 下りたところにカフェの門があり、お洒落な雰囲気です。公園はこの先で、ホテルの鬼岩湯元館の庭園から進むようになってます。ここは紅葉見物によい場所で、秋は国道沿いでもたくさん色づいて綺麗。今は青紅葉が美しいっすね。