橋を渡ると道標があり、折り返しの2つの滝はもうすぐそこ。ここからは車も通れる林道に入ります。



 橋を渡って左折して5kmほど奥に根尾の滝があるけれど、ずっと通行止めで行った事はなし。何年か前の台風でどの程度道が荒れているのか分かりませんが、徒歩でも通行禁止とありそれが残念すね。根尾の滝は落差63mの大滝で、日本の滝百選にも入ってるそう。行けた時の写真をネットで見ると手前に風穴がありなかなかの岩場を越えるようになっていて、滝つぼが深いので真ん前までは行けないみたい。水量が多いと危ない感じで、水際の道が崩れてるのかもです。いつか行きたいなぁ。


( * ̄▽ ̄)v- ここには紫色のスミレ。里にもあるスタンダードな種類かと思うけど、葉が小さいような? スミレは本当にいろいろありますね。


 これは白いエンゴサク? 淡いピンクや紫色の花はよく見ますが、白い花は初めて見ました。ケシ科キケマン属の花は種類が多く、黄色のキケマンは分かりやすいけど他は判別に迷います。オトメエンゴサクとかジロボウエンゴサクとか色々あり、基本は赤紫色だけどまれに白花があるものも。ここは林道でしか見られない花があり、ツリフネソウやクワガタソウ、ネコノメソウやニリンソウがあります。


 林道を下っていくとガードレールのある橋を渡りますが、下を覗くと黒々とした岩の間に水が流れてる。これは冷えて固まった溶岩が水に浸食されてできたもので、駐車場から臨む巌立と同じ両輝石安山岩のはずだけどこちらはアスファルトかと思うほど黒いです。

( * ̄▽ ̄)v- 天然のアスファルトと言えば間違ってないかもですね。こちらは日陰になりやすいので日光に晒されにくくて黒いのかも。こちらは唐谷で、語源は「涸れ谷」。ここがもうすぐそばの「あかがねとよ」の落とし口の手前ですが、水が涸れやすいみたい。この日は水量が少なかったけど、多いと黒い岩肌が濡れてとてもつややかです。そこに白い水がよく映えますがこの日はこのくらい。とても狭いウォータースライダーみたいに見えました。


 この辺りは国有林で、ガイドさん随行でないと行けない他の滝に行くには立ち入り許可証が要るそうです。付知峡の高樽の滝も国有林の中だけどそこまで厳密ではないっすね。巌立峡の奥の滝はビジターセンターで売ってるDVDで見ましたが、けっこう登山スキルが要りそうでした。独りでフラリとは行けなさそうです。


 ここが2つの滝への入り口。駐車スペースもあり、車なら下のがんだて公園から10分もかからない距離です。ただすれ違いは困難なので、私はいつも歩いてきます。ここから川原に下りますが、下り口にはまだ一重咲きの山吹の花が咲いてました


 もうひとつは名前が分からない小さな白い花。まだつぼみだけどたくさんあり、足元にはタニギキョウも咲いていた。やはり沢筋に多いのですね。


 下りていく時に淵フェチの本懐。いい具合に日が射してきて、透き通ったライトグリーンの水がとても綺麗に見えました。これよ、これなのよお客さん!


( * ̄▽ ̄)v- 水面に光の波紋ができててわたくし歓喜。ああ、また私が河童になるシーズンがやってきたわ?  透明度の高い青や緑色のちょっとした深みは「谷間の宝石」で、せいぜい腰ほどの深さでもゴーグルを着けて潜ると極楽です。元気出るわー。


 川原はけっこう広く、木橋を渡った先に岩壁に隔てられた滝が2つありますが、まだここからは見えません。どちらも狭まった岩壁の奥に隠れるような滝で、川原には岩がゴロゴロしてるけど合間にコンクリートの道が設けられてます。


 滝の説明板が並んでいて、まずは「あかがねとよ」から。今は黒いけど昔は滝の周りの岩が赤く苔むしていたので「銅(あかがね)色の樋(とよ)」と呼ばれたそう。この説明板から右に進みます。


 岩壁が張り出していてまだ見えない。と言うかひと連なりの岩壁を水が浸食してできた滝で、上にさっき渡ってきた橋が見えます。白い滝の水に濡れた岩肌が黒くつややかで、日光を反射して銀色に見える。その下の滝つぼと淵の濃い緑色が既に綺麗すね。


( * ̄▽ ̄)v- これがもう赤みは無い「銅色の樋」。落差14mの斜め滝で、上は渇水かと思うのに淵は満々としています。驚くのは淵の濃いエメラルドグリーンで、奥の黒みからのグラデーションが美しい。渇水期でもこれは変わらず、滝の水だけでなく下からの湧き水があるのだそう。


 冷えた溶岩が作った柱状節理を水が穿ってできた滝で、確かに雨樋のよう。光沢のある岩壁はまるで金属みたいです。昔は赤い苔が生えていたと言うけどどんな眺めだったんだろう。


 淵フェチの私でもあえて入らない淵が美しい。そんなに深くないから入るのは容易いですが、綺麗すぎて入れないところもありますね。奥の方が暗いのがちょっと怖いのと、割と観光客が来るのもたじろぐ理由。


 水量が多い時は淵から流れ出した水が隣の唐谷滝の前に向かってますが、そうでない時はこの淵に上から落ちてきた魚がとどまってる事もある。岩魚かと思いますが、淵をゆったりと泳ぐ姿を見ましたね。増水しないと出られないけど、しばしの贅沢な住みかだなぁと羨ましく思ったものでした。