さらに登っていくと道に垂れかかっていたミツバツツジの花芽とつぼみ。うちの方ではもう花の盛りを過ぎる頃ですが、こちらは季節の巡りがゆっくりのよう。そう言えば春のハイシーズンにここでミツバツツジの花を見た事がなかったなと思い出しました。登山道には無かった気がするけど、いつもクマガイソウやシロヤシオが咲く時期には花期が終わってるのかな?



 けど見上げるとほんの少しだけどアカヤシオが咲いていて、これはうちの方ではちょっと考えられない開花の順番。先日登った納古山ではミツバツツジの次にアカヤシオなんですね。山によって違うのだなぁ。


 これはシロヤシオはまだ咲いてないなと確信したのは、道にコブシの花がたくさん落ちていた事。コブシは早春に咲くから、まだこれだけ花びらが落ちてるってことは春がゆっくり進んでるんすね。局地的な感覚ですが、コブシの花が散ってる時はアカヤシオは見られるけどシロヤシオにはまだ早い。ここで実感しましたが、シロヤシオの自生地まであと少しなので登り続けました。


 GWには山の上の方まで新緑に包まれますが、この日は上の方はまだでしたね。ここは中腹くらい。ああ新緑だなと思うのはクロモジくらいでした。


 この小さな花は今年の春はたくさん見ました。低山登りをしてなかったら何の気なしに通りすぎてしまいそうですが、1度「可愛いな」と思ったら時期が来ると気にするようになりました。枝が白いのがシロモジ、黒いのがクロモジだそうで、これはクロモジでいいのかな?ちと不安です(笑)


 尾根を回り込んで少し下りていくと沢があり、そこが休憩適地になってます。平坦な日当たりの良い場所で、ここは「小鹿の涙」という滝があるところ。


 これが「小鹿の涙」。落差10mあるかないかで、前の日が雨だったので水量が多いけど、普段は岩壁を伝う程度です。最近は滝らしくなってる時に来られますね。


 中腹に水場があるのは有難い。何となく気持ちもホッとしますね。南尾根ルートで水場があるのはここだけで、よくハイカーが休んでます。黒っぽい岩壁に白いしぶきが跳ねていて、水音が涼しげです。


 滝つぼは無く浅い淵から水が下っていってます。晴れてはいたけど黄砂が多くて日射しは今ひとつ。空気が澄んでれば浅い淵の透明度が際立つところです。飲み物が1本空になったので、大丈夫だと思うけどここで冷たい水を汲みました。


 山で使う筋肉は山で鍛えるしかないという意見もあり。もっとしんどいかと思ってましたが、先日の納古山で体が少し登りの感覚を思い出したのか、予想してたより体は楽でした。頂上まで行くなら最後に長めの急登がありますが、この日はあと少ししか登らないと決めてきたのでそれもあるかな。そんなことをぼんやり考えながらしばし水音を聞いてました。

        

 滝の隣には昔は小祠があったような基壇があり、達筆な大山祇神の石碑が立ってます。ここまで無事に来られたのと、帰りの安全を願って手を合わせました。ここは山仕事の山っぽく、修験者の史跡のようなものはありません。ふもとには植林された杉が多いけど、山に入るとブナなどの広葉樹が大半です。まだ見た事はないけどギンリョウソウもあるんじゃないかなぁ?


 細かく震える水面がきれい。そろそろ渓流が見頃ですね。ここも林道の下の方が美しいです。


 小鹿の涙からあと少し登るとシロヤシオの自生地。あーーーーーやっぱりまだ早かった。傾斜強めの斜面に木がありますが、葉くらい出てないかと思ったらクロモジでした。フライングだわ(涙)


 これがシロヤシオの木。アカヤシオと違って花と葉が同時に出るので新緑の季節はとても爽やかです。樹高はアカヤシオと同じくらい高く、やはりやや乾燥した斜面を好むそう。ここ以外だと瑞浪市の根の上高原で見られるそうで、1度行ってみたいすね。


( * ̄▽ ̄)v- 昨年のGWでは同じ木がこう↓ 本当にほんの少しの時期のズレでこんなに違います。今年は桜も少し開花が遅かったので、今年は特にゆっくりかもですね。新緑そのものの葉と白い花がすごく爽やかです。


 花の形はアカヤシオの方が丸っこいかな? 葉も同時なのでアカヤシオより密集感があり、下から見上げると降るようです。御在所岳かな? 三重県には広い群生地があるみたいすね。ここではこのシロヤシオをいちばん見たかったけど、また来年に期待です。