木道の奥にウメモドキなどの木立があり、テーブルや丸木の椅子がある。その向こうが広い湿原になってます。屏風山は標高794mで、この黒の田東湿地は709m。体感ではそんなに登ってきた気はしませんが、スタート地点の寿老の滝で既に607mなのでそれはそうかも。



 湿原の入り口では雪をかぶったように馬酔木の花が満開でした。うちの方では盛りを過ぎましたが、やはりこちらの方が気温が低いからかと。ここから屏風山の頂上に続く登り道にも多いです。ああそうか今年はいつもより早く来たのだな。馬酔木の次にミツバツツジが咲き始めるからこの日はまだという事か、と独り納得しました。


 東濃には湿地帯が多かったそうで、やはり花崗岩が多いためかな。今は宅地開発などで失われ、ここが現存する中で最大規模のよう。確かに初めて来た時に、山の中にふいに広々とした湿原が現れて驚きました。


 もう少ししたら一面の青草になりますが、今はまだ枯れ色。初秋には白い金平糖のようなシラタマホシクサの群生がところどころに花を咲かせます。上高地のようなミズバショウは無いけど湿地特有の花がかわるがわるに咲く場所で、春はまずショウジョウバカマやハルリンドウ。

( ; ̄▽ ̄)v- え、でもハルリンドウの青が見えないわ?  おかしいな今年の4月2日のヤマレコの活動記録を見て来たのに。この桟道のたもと付近と両側にたくさんあるんですが・・・・・・ 



 みずみずしいショウジョウバカマはすぐ見つかった。そう言えばここでこんなに新しいショウジョウバカマを見たのは初めてだわ。ちょっと早く来すぎたのか???


 広い湿原に2つ伸びる桟道と外縁もぐるりと巡ってみましたがハルリンドウ無し。雨だから花は閉じてると思うけど、ひとつふたつ開いてると期待していたわたくしのテンションが下がっていきます。キムタクばりに「ちょ待てよ」って心境になってました。


 馬酔木はふんだんにあり。林道でしか見た事のないウスギヨウラクもやはり無し。雨の冷たさが募ります。


 ここに自生する四季の花々↓  コンプリートまであと少しですがそれがなかなか(涙)  もう少し近ければ足しげく通うんだけどなぁ。


 けど諦めかけてテーブルにリュックを置いてやさぐれてたら、視線の先にあったわ!? そら雨なら咲いてないわ!! お洒落な紺色の傘をくるくると畳んだようなハルリンドウのつぼみを発見しました。やはり桟道のたもとにハズレは無かったーーーーー。


( ; ̄▽ ̄)v- 私の局地的な山行歴ではハルリンドウを見られるのはここだけです。葉が地面に放射状につくハルリンドウでなく、花茎に直接ついてるフデリンドウは割とあちこちで見てますが、何が自生地を分けるのだろう。↓この右下の写真だけは梅雨どきに撮ったもので、ハルリンドウのセルフ種撒き形態。雌しべが成熟して内部に種子ができると雨の日に2つに開いて雨水を受け、自然に種を流れ出させるんですって。雨滴散布というもので、初めて見た時は´´「何この花?」と不思議でした。こんなトランスフォームをするなんて。


 ひとつだけ閉じ忘れた?花を発見。開いてないけど美しい青ですね。天上の青という感じ。天気が良いとここでは桟道沿いにたくさん見られます。楽しみだなや。



 11時近くに引き返し。小雨は続いてたけど少し日射しが出てきて明るく感じました。もう少ししたらここにミツバツツジの赤紫色も増えてきます。


 またテクテク林道を下る途中で見つけたクロモジの花。枝から爪楊枝を作る木で、枝や葉を折るとよい香りがするのだそう。精油にはリラックス効果があってアロマになったり、薬効では胃腸を整えたりするんですって。


 花はサンシュユやミツマタとの判別が難しいけど、たぶんクロモジで合ってると思う(涙)  他では納古山でも見かけます。


 林道の出口付近でまだウスギヨウラクを諦めきれずにあちこち見ていると、これはヤブウツギかな? まだ早いんじゃないかと思う赤い花をみつけました。ウツギも種類が多く、スイカズラ科に属するものもあり。ここは白いタニウツギが多いけど、ちょっと珍しい赤花を見つけて嬉しかったです。


( * ̄▽ ̄)v- 寿老の滝まで戻ると雨なのに駐車場に車が増えていてびっくり。滝に家族連れが来ていて、春休みももうすぐ終わりなので雨でも行楽に来たのかなと。私だけじゃないんだと思いましたね。