( * ̄▽ ̄)v- 一昨日は久しぶりの晴天で、自分の天日干しにもってこいでした。午前中にちょっと頑張って流れてきましたが、まず行ったのは可児川下流域自然公園。可児市と愛知県小牧市の境目に近いところで、鳩吹山(313m)のふもとにカタクリの群生地があります。


 国道41号で小牧市方面に向かう途中に「湯の華アイランド」という温泉施設があり、最近はBBQ場もできました。そこの隣に公園の駐車場があり、鳩吹山に登るハイカーがよく停めます。ハイキングコースの入り口には「出世の碑」があり、ここ出身の土田御前と幼き織田信長がウェルカムしています。



 ゴールドな母子像と握手すると出世のご利益があるそうです。この愛らしい幼子が後の第六天魔王と思うと感慨深いすね(笑)  母君の土田御前はこの近くの土田城の生まれと言われ、土田氏は元を辿れば近江の六角氏の流れだそう。織田信長の父の信秀の継室で、信長・信勝(信行)・お市の方を生んだ女性。お市の方の母君ならきっと美しい人だったんじゃないかなぁ。


(* ̄ー ̄)v- どうした訳か土田御前は嫡男の信長でなく弟の信勝を偏愛した事で有名で、後に信長は実弟の信勝を謀殺しました。なぜ信長を疎んだかは諸説ありますが、もともと武家の嫡男は乳母夫妻に養育され早いうちから家臣団がつくので実母と疎遠になりやすく、他の子供は手元で育てられるので愛着が強くなりがちだったとか。土田御前は信長やお市の方の子供を養育し、本能寺の変の時には安土城におり、信長の晩年は関係は悪くなかったよう。信長の死後は小牧長久手の戦いでその面倒臭さを遺憾なく発揮した三男の信雄→四男とされる信包の庇護を受け、伊勢国で亡くなったそうです。

 信雄は徳川家康と結んで羽柴秀吉と戦いましたが、戦が長引いて勝手に和睦してしまって家康が「はあ?」だった面倒臭い人。信包は秀吉に仕えましたが小田原攻めで北条氏の助命を嘆願したため改易になってしまいました。土田御前が亡くなったのはその前年だったのがせめてもだったかも。織田氏の系譜は女系が根強く残り、浅井三姉妹から徳川秀忠の正室(お江)を出して天下を取りましたな。土田御前はその祖と言えるかも。

( * ̄▽ ̄)v- 出世の碑からずらりと河津桜の並木がありますが、花期はそろそろ終わりでした。染井吉野より濃いピンクの乙女チックな桜で、まだ綺麗なところを探して下から見上げてみました。久々の青空によく映えます。


 可児川下流域自然公園の案内図。鳩吹山の登り口は複数ありますが、そのひとつのカタクリコースはこちらです。登り口の辺りが群生地になっていて、ちょうど土日にカタクリ祭りがあったばかり。こちらから登頂して山の向こう側に下りると真禅寺というお寺があり、そこに森長可の首塚があります。小牧長久手の戦いで戦死しましたが、信長の死後にあちこちの城を落としまくってたので恨まれていて、やられた生駒氏が首を狙ってたんすね。討ち取ったのは徳川家康家臣の水野勝成の足軽ですが、家康は乱戦のため首は取るなと達しを出しており、生駒氏が混乱の最中に首を奪おうとしたので森氏の家臣は全身を運べず首だけを真禅寺に預けたそう。今は可児市兼山の美濃金山城のふもとの可成禅寺(森氏の菩提寺)に一族のお墓がありますが、後に首も戻ったのかはよく分からず。本能寺の変で亡くなった蘭丸・坊丸・力丸のお墓もありますが、遺骨は戻っていないかも。信長の遺体が見つからなかったのは有名ですが、蘭丸たちはどうだったのかな。


 可児川にかかる橋を渡ってハイキングコースへ。この日はカタクリ群生地がお目当てなので、鳩吹山には登りませんでした。登るとしても頂上までそんなに時間はかからないです。


 前日が雨だったので水量多めの可児川。木曽川の支流のひとつです。まだ朝早かったのでお目覚めの雰囲気。


 ゆるく上がると椿の木があり、落花も増えてきてました。この右手の斜面にはショウジョウバカマも咲きます。先日 バイカオウレンの自生地を検索したら鳩吹山にもあるそうで、どこやねん?


 これは園芸種の椿かな? 幹が山の中にあるものより立派です。咲いてる花もけっこうありますね。


 ここでは足元にカタクリ、頭上に椿の花が咲くので春は華やか。カタクリの葉の間に落花があるのもよいものです。和菓子のようだなや。


( * ̄▽ ̄)v- カタクリも毎年フライングするから今年はゆっくり来ましたが、朝早いから開花前だったのはご愛嬌。夜は閉じるのと、雨だと開かないのが辛いところ。ここのカタクリは葉に斑が入ってます。ぐーんと伸びた花茎から長い莢のようなつぼみが垂れて、開く前はこんな感じ。


 進んで行くと開きかけの花が現れる。群生地は人除けの柵と猪除けの電気柵の向こう側で踏み込むことはできません。私が知ってる完全な自生地は関市の高賀山で、そこだと登山道と隔てられてないから間近で見られます。ここは保護してるから年々増えてるけど、高賀山は探すのが楽しいすね。ふもと近くから頂上まであちこちに咲きます。


 ここか登山道の入り口。カタクリコースと名がついてますが、咲くのは入り口周辺です。久しぶりの晴天なので登っていく人も多かったすね。


 丈低いカタクリが奥の方までみっしり。移植して花が咲くまでにけっこう年数がかかるそうで、どこの山でも採取は禁止されてます。山野草はみんなそうかな。採ってしまう人がいて問題になってますね。「山でとっていいのは写真だけ」は良い言葉だと思います。


 朝露と光の加減がよかったつぼみ。根からカタクリ粉が採れるそうですが、ひと株ではほんの僅かなんじゃないかすら。向かいの「湯の華アイランド」の市場ではこの時期にカタクリの水饅頭が出ます。前の年の粉かなと。


 花が開いてくるとこう。この花びらがもっと上に持ち上がってくるりと巻きます。完全に咲いてもうつむき加減のシャイな花なので写真を撮る時はローアングラー。何だかアイドルのパンチラを狙うカメラ小僧の気分になります(笑)


 この時期は立派なカメラ持参の写真愛好家さんが多く、やはり望遠カメラの圧勝。スマホのカメラだとこれが精一杯すね。奥の方に咲いてる花があるんだこれが。お昼頃なら一斉に咲いてると思います。早い時間だと群生地の奥の方に開いた花が多かったです。


(*  ̄▽ ̄)v- 遠いけど完全に開いた花はこんな感じ。花びらの持ち上がり方がすごいすね。鳥のはばたきみたいです。



向かい側には、梅かと思ったけどこれは桜だな。染井吉野も咲いてきてました。こちら側も入れないので近くでは撮れませんでした。


 地面を埋め尽くすカタクリと椿の落花の上に光の道ができてました。昨日の夕方にローカルニュースで取り上げられたけど、花の盛りはまだ少しの間続くと思います。