( * ̄▽ ̄)v- 昨夜は「マツコの知らない世界」がすごく興味深かったです。↓マツコさんにこう言われるのは褒め言葉かもしれない。刮目したのは「音採取の世界」で、思わずがぶり寄りして見てました。



 こちらがサウンド・デザイナーの菅原宏之さん。1977年生まれで仙台市在住で、ゲームやパチンコ台のBGMや効果音も作られてるそう。マツコさんが「どのパチ台?」と尋ねた答えにわたくし瞳孔カッ開きました。

(  ̄▽ ̄;) あ、「花の慶次」を。

( * ̄□ ̄) はぁ?どの音楽を!?

(  ̄▽ ̄;) 歌以外全部です。

私→( ;  ゜□  ゜)v- はあアアアア!?マジで!?あの通常BGMからリーチ発展音からキセルカーーン!!から大当たり音キュイイインも全部!? やだメチャクチャ聴いてたわ!!!


 マツコさんもすごい食いつきで、「やだ大音量にして!!隣から話しかけてくるババアもつけて!!」・・・って、パチ打つんだ。座席に座れるのか?( いや失礼)  何でもCR花の慶次シリーズは音に癒される為に打っておられたそう。ハマると苦行なのによく。私も北斗の拳の次にハマッていたので目を輝かせてたと思います(笑)  この方が音を作ってたんだ、凄いなぁ・・・


 菅原さんは「フィールドレコーディスト」でもあるそうで、検索したら風景などの写真と自然音のコラボ作品などもあるもよう。フィールドレコーディングとはスタジオの外で録音することで、自然の音だけでなく人工物の出す音も含まれるんですって。

 とりあえず「街の中で石焼き芋の屋台が近づいてくる音」を再生したら、ああ別に焦点は「♪い~しや~きいも~  いもっ♪」ではないのか。多分録音装置は路上に置かれてて、車の行き交う音やコッコッ・・・という人の靴音の向こうにアナウンスが流れてて、何と言えばいいんだろう?

( ̄ヘ ̄;) ホラー映画みたい。

↓とはマツコさんの一言。うん、そう。日常音なんだけど何だろうこのコォオオオ・・・というくぐもった不穏な響きは。何の変哲もない街の音もそれだけ聴くとちょっと怖かったです。マツコさんは「横溝正史の世界だわ!これから1人目が殺られるわよ!?」とのたまい、流石ですマツコさん。本当にホラー映画の効果音のようでした。


(;  ̄□ ̄)ノ あれよ!わたし昔 映画を観に行って、同時上映が「エンゼルハート」だったの!あれずーーっとコォオオオオみたいな低い音が流れててメチャクチャ怖かったの!!

 あーーーマツコさんいいなぁ、劇場で「エンゼルハート」 を観られたんだ。主演は当時は崩れた色気ムンムンのミッキー・ロークで、悪魔役がえらいこと瀟洒なロバート・デ・ニーロのオカルト映画。↓これすごいネタバラシでは? 私立探偵が謎の富豪に大戦前の人気歌手を捜してくれと依頼されるお話ですが、ハードボイルドにも見えるしオカルト映画としても別格です。私は音を聴くより全編を覆う錆びついた雰囲気を仰ぎ見てました。これと「キャンディマン」は雰囲気マジやべぇの双璧でございます。


( * ̄▽ ̄)v- 何でも聴覚は脳のエモーショナルな部分に繋がってるので心への影響が強いそう。ヒーリングミュージックはまさにそれだし、騒音は集合住宅では深刻なトラブルになる事がありますよね。心地よい音は気持ちをなだめるし、意に沿わない騒音はガチで神経を参らせてしまう。良いはずの音でもシチュエーションによってはアカンかったりしますよね。

 近年はYouTubeとかでひたすら焚火の音を聴いたりするみたい。確かにいい音ですよね。これは古代からの感覚で、焚火は落ち着けるみたい。狩猟採集民族だった頃にいちばん和むシチュエーションだったのかなと。


 しかしガチの音のプロのフットワークこそ恐るべし。ああこれは美しい。福島県にある桧原湖というところで、冬はワカサギ釣りが盛んだそう。春はこんなに綺麗なのですね。


( ; ̄▽ ̄)v- そこで氷が溶け始める頃、高性能マイク持参で4時間粘る菅原さん。採るのがワカサギでなく音ってところが違いますなぁ。


 分類は癒される音だそうですが、いや・・・・・・軋んでますけど・・・・・・これに「冷えきった体に血が通うような温かさ」を感じるところが詩人ですね。私は前に小秀山の男滝が氷瀑になってる時に2度  岩壁から氷と雪が剥がれて落ちるのを見ましたが、すごい剥離音でした。メキメキともバリバリとも違う軋んだ音で、真下にいたら確実に死んでる。雪解けマジやべぇと震撼したものでした。そうかあれも「血が通う音」なのだなぁ。


 寄せては返す波の音は分かる。てか「砂利の砂浜」ってところが厳密よね。滝の音も川のせせらぎも心穏やかになりますね。


( * ̄▽ ̄)v- これは初めて聴いておお!!と思った貫入音。焼き物を窯から出した時に、器の粘土の隙間に釉薬が貫入する音なんですって。伸縮率が違うから焼き上がった時に鳴るそうで、こんな美しい響きとは知りませんでした。


 YouTubeから選んでみました。触ってないのに音を奏でてるみたいすね。これは美しい。


 面白いなと思ったのは菅原さんが「テンションが上がる音」と語られた大般若経の転読法要。山形県の立石寺というお寺での祈祷法要がアガるそうで、そこは天台宗だけど他の宗派でも行うとの事でした。


 これは何かで見た事がある。大般若経は600巻くらいある経典で、お坊さんが「厚みは週刊少年ジャンプくらいあります」とネットに書かれてた。それを複数のお坊さんが手分けして経典をブワァ!と空中に広げながら唱え、勢いよく経箱に叩きつけるようにして納めるんすね。昔は経典は巻物だったから転がして唱えていたのを今は「転読」と呼ぶそうです。


 立石寺のが見つからなかったから奈良の興福寺の大般若経転読会だとこう↓  気持ち立石寺の方がイイ音を立ててましたね。この勢い良さは煩悩を祓う作法みたいです。アガると言えばアガります。


┏(;  ̄▽ ̄)┓果ては活版印刷機の音とか、50年前のラジオニュースとか。ええと癒されるかと言われると違うけど、昔夜中にラジオを聞いてるとたまに変な音が入りましたよね? 北の将軍様関連みたいなやつ。うちの方だけかしら?



 いろいろ挙げられるのを聴いてると、菅原さんは独特の聴感覚と言うか、パチンコ台のBGMとは対極の静かな音がお好きなのかなと。中学生の時だったかなぁ、音楽の先生が「主旋律でなくその底に流れる音を聴きなさい」みたいな事を言っていて、何となく忘れがたい教えでございました。音に限らないかもですね。

 そしてこちらは山形県酒田市沖の無人島。飛島という島から2km離れたところにあり、潮の加減でいつも上陸できるとは限らないんですって。火山活動で出来た流紋岩の島で、中には大きな洞窟がありウミネコの繁殖地でもあるのだそう。


 そこに行くために船舶の操縦免許を取り、行くのに3年かかったと語る菅原さん。ガチすぎる。その粘り強さにあやかりたい・・・・・・・・


 この洞窟は内部の壁が龍の鱗のようになっていて、昔は信仰の場で女人禁制だったそう。その音は鍾乳洞の中の音に波音とウミネコの鳴き声が合わさったもののようで、菅原さんいわく「心を奮い立たせる音」ですが、私には天然のヒーリングミュージックでした。ベクトルが違うかなぁ?・・・・・


( * ̄▽ ̄)v- これだけ「音」のために行動半径を広げられるって凄いですね。菅原さんいわく「私たちが聞いてる音はいつか未来には無くなるかもしれない」そうで、それまでに集められる限りの「音」を集めておられるのかも? 普段何気なく聞き流してる音すら貴重に思えますねぇ。興味深い特集でした。