帰りはまだ時間に余裕があったので、岩屋ダムの少し下にある金山巨石群(岩屋岩蔭遺跡)に寄りました。岩屋ダムの名の由来はこれだと思う。ダムの少し下に県道から谷に下る道があり、すぐに着きます。いつもはもっと下に停めるけど、先客がいたので上の方に駐車。ここは巨石が意味ありげに集まっていて、縄文時代に太陽観測が行われていたのでは?と言われてます。



 上に3つの巨石が寄り集まって岩屋になっており、そこが岩屋岩蔭遺跡。その周りにも巨石がドン!ドン!と林立してて、全部が太陽や星の観測ポイントなのだそう。丁寧な解説板が随所にあり、金山町の観光スポットになってます。


 遺跡指定を受けた理由はメインの岩屋の中から縄文時代早期~江戸時代の遺物が発掘されたからで、縄文時代には祭祀場で、江戸時代には岩屋に妙見神社が置かれたからかと。妙見神社はうちの方ではレアですが、北辰(北斗七星や北極星)を拝むものなのでここには相応しい。岩屋岩蔭遺跡の3つの巨石のひとつには北斗七星の形に盃状穴が穿たれており、そこに蛍光塗料を塗ったナイトツアーも催されてます。


( * ̄▽ ̄)v- 山の中に意味ありげな巨石があって、それが古代の太陽観測場だったんじゃ?と言われるところは結構ありますね。岐阜県だと関市の高賀山の不動岩屋がそうですが、あそこはここほど明言してません。独自の高賀修験があった所で、不動明王が祀られていたのは確か。岩の隙間から春分や夏至に特定の角度で太陽光が射すと言われ、ここだとそれもあるし閏年も分かるそう。シーズンには太陽光の観測ツアーもあります。

 メインは岩屋岩蔭遺跡で、県道から下りてきたところに「線刻のある巨石群」。あとここから離れた山の中に「東の山巨石群」があるのだそう。そこはガイドさん随行でないと行けないそうで、私はまだ行った事がありません。なかなかたぎる解説板ですよね。
 

 鳥居があるのは妙見神社だから。あーどうしよう、もう少しだけ近づくかな?


 石畳の隙間からキランソウ。ちょっと蘇生しました(笑)


 あまり近づくと巨石がデカすぎて1枚で撮れない。来いや学研ムーって感じですよね。これが磐座(神が降りたり宿るとされる岩)でなくて何なんだ?って雰囲気がゆんゆんしています。多いのは東濃だけど、飛騨にもいくつかあるんですね。


 向かって右の巨石に北斗七星の形に点々と盃状穴が穿たれてます。そちらから見るとケンシロウの胸のよう。俺の名前を言ってみろ。ただ厳密には盃状穴は9つあるそうで、そこはちと恣意的かな? 岩屋には柵があり、その中が妙見神社で、遺物が発掘されたところです。人が住めるほど広くなく、縄文時代の狩猟採集のキャンプ地だったか、この見かけなので自然信仰の場だったのは確かかと。人為的な配置にも見えるけど、こんなんどうやってやりますのん。「な、なんだってー!!」な超古代文明テイストがありますねぇ。


 車で下りてきた方向。東屋に見える建物は「太陽カレンダーシミュレータ再現館」で、季節の節目に射す太陽光の角度を木で再現しています。その奥にあるのが「線刻のある巨石群」で、古代の神殿跡のよう。


 鳥居の手前にも巨石があり、ここが観測ポイント①。広い範囲に意味ありげに巨石があり、もし人の手で配置したなら相当の労力。古い磁気を測定する調査でこれらの巨石は回転や下降移動を経てここに落ち着いたと分かっており、自然崩落や地滑りの可能性が高そうです。先日  美濃白川町を震源とする震度3の地震があり、この辺りもそれくらい。昔に大きな地震があって、もっと高かった山が崩れたかもですね。

 この辺が神殿跡みたい。花崗岩なのかな? 角はなく丸みを帯びてます。奥の方にも巨石がありますね。


 自然崩落や地滑りでここに止まったような気がしますが、なかなか人為的にも見える配置。今は青葉が鮮やかでとても気持ちのよい所です。


 これが線刻のある巨石。内部に太陽光が射し込む隙間があり、角度をワイヤーで示してます。線刻とされるものは火山活動でできる柱状節理ではないかとも言われてますが、二節二分の太陽光が観測できるそう。メインの岩屋岩蔭遺跡の内部には測定石というものがあり、そこで閏年も分かるそうです。地道に団体さんが観測されており、それがすごいなと。


 これは台形の巨石で、夏至と春分・秋分の頃に上に光が射すのだそう。ロマンですねぇ。


 そばで見ると地面からニョキニョキ生えてきたみたい。すぐ近くの岩屋ダムはロックフィルダムで、ここは岩の名所です。金山町には若い娘を人身御供にしていた大狒々が退治された言い伝えがあり、それがこの辺りのよう。県道沿いの八幡神社(祖師野八幡宮)にその時に使われた名刀・祖師野丸が納められてるそうです。


 青葉の向こうに今もひっそりと時を刻み続けている巨石群。ロマンですねぇ。


 ここにも良さげな沢があり、石段から下りられます。ここはもう夏の色でした。


 下流の方は渓谷のおもむき。夏は暑いところですが、一服の清涼剤みたいでイイっすね。