朝でも常夜灯がともる中央不動尊。ここだけでなく敷地内はすべて現役の信仰の場で、気を抜いて来ると信徒さんが心経を唱えていたりするので失礼のないように進みます。
 


 鳥居の外には十二大権現の祠があり、御嶽山の4合目に祀られている事で有名。十二大権現=木花咲耶姫で、燃える産屋で出産したため安産・子守りの神さまと言われます。


(*  ̄▽ ̄)v- 長野県木曽郡大滝村に祀られる習合の女神。本場と同じく、ここで子宝を願う人は箱に入ってる「猿ボコ」という小さな布人形を1つ持ち帰り、子宝に恵まれたら猿ボコを12個作って納めるものだそう。見れば飛騨の「さるぼぼ」と同じ布人形で、木曽の猿ボコが飛騨ではさるぼぼなのかなと。赤ちゃんを授かる祈願→お礼が円環になってるんですね。よいものだと思いました。


 鳥居をくぐると切り立つ岩壁と、その亀裂にできた天然の岩屋が現れます。そこにも霊神碑があり、その先に滝がある。美濃三不動はいずれも大きな岩を中心に建てられており、原初の自然信仰、磐座信仰から始まったんじゃないかなぁ。


 奥まったところに岩壁に隠れるような滝がある。淵まで降りる道があり、滝行の滝だと分かります。手前には不動明王と眷属の制多迦童子・矜羯羅が祀られており、ここが中央不動尊。滝の前に橋があり、渡って滝に近づきます。


 赤い火焔を背負う不動明王が左手に餅を持ってるみたい。よき像だなといつも思います。


 滝を見上げると氷柱が垂れていた。ほとんど水が流れていませんが、今の滝よりもっと右手に水で岩が穿たれたような箇所がある。昔はもっと水量が多かったのかもですね。


 淵は浅くて人が立ちやすい。まだ寒いから水が澄んでて冷たそうでした。


 滝の向こう側の岩壁。湿気の多い場所なので草や苔が生えていて凄みがあります。美濃三不動の始まりはここと山中不動院が平安時代で、日乃出不動尊は比較的近代。先日はじめて山中不動院に行って古い岩塊に圧倒されましたが、ここも建物を建てたり道を整備しても岩はほとんど手を加えておらず、大昔はもっと鬱蒼としていたと思います。その名残りはやはり岩場に顕著ですね。修験者くらいしか踏み込まなかったんだろうなと。


 雪が溶けにくい場所なので滑らないよう慎重に石段に戻る。ここを上っていくともう一方の石段と合流して、上の本堂などがある区域に行けます。


 合流点の踊り場を経てさらに上へ。尾根上から下の駐車場までの高低差は200mほどで、よそに車を置いてくるといちばん下まで行くのは少し面倒。でもそこまで下りないと極楽茶屋名物の中華そばが食べられないんすよね。飲み物の自販機だけならまだしも。


 この石段だけでもけっこうゼエゼエ。やっと本堂のある中段入り口が見えてきました。


 上りきったところにさらに上に続く道があり、これは隣の金比羅山に続く道。金比羅山は各務原アルプス最高峰(383m)で、ここからけっこう急登です。雪の上に足跡があり、登ってる人がおられますな。


(*  ̄▽ ̄)v- 反対側は日当たりがよくて青空がすがすがしいくらい。石段を上りきったところに飲み物の自販機があり、猿啄城展望台から大岩見晴台まで行って戻る時に飲み物を切らし、これを目指して尾根上から下りてきました。お地蔵さんや石碑の向こうに山茶花林があり、その奥に下りて来られる道があるんすね。


 尾根上はよく晴れていて気持ちよさそう。ここは迫間山の中腹にあたり、その頂上があそこにあるんですね。奥の院から登りますがなかなか登り甲斐がありますです。