仁王門の吽形の力士像の裏側にも像があり、これも吽形かな? 阿形の力士像の裏側には閉じられた厨子があり、そちらは保護のため納められているのかも。


そのまままっすぐ進んで本堂へ。しつらえは犬山市の成田山と同じだけどあんなに大きくない。同じ真言宗智山派ですが、こちらは川上貞奴さんが昭和8年に建立した貞照寺を、後に成田山が引き継いだもののよう。本堂には建立者の川上貞奴さんの写真や来歴が掲げられてました。


( ̄ー ̄)v- 本名は貞。明治4年東京生まれで花柳界で育ち、名妓として伊藤博文など明治の元勲の贔屓を受ける。22歳の時に役者で興行師の川上音二郎と結婚し渡米。アメリカ、フランス、ロシアなどで舞台に立ち「マダム貞奴」と呼ばれる女優さんになり、帰国後は女優養成学校を設立した方だそう。


海外で日本舞踊を披露して、シェイクスピア劇を持ち帰った功績で知られ、日本の正劇の始まりに貢献された方なんですね。有名な松井須磨子さんより前に日本で「ハムレット」のオフィーリアなどを演じた方。個人的に不動明王を信仰されていて、そのご縁で当地にお寺を建てたそうです。


( ̄ー ̄)v- 個人的には、舞台に立つのはあまり好きではなかったよう。明治~大正の女性なら、海外の興行に出るのは気持ち的にしんどいような。守り仏に不動明王を選ぶのは、そんな下地があったかもですね。夫の死後は演劇界からは身を引き、熱海で亡くなったそうです。綺麗な方ですね。


本堂でお詣りしてたらジャージ姿の住職さんが「すいませんこんな恰好で」と言いながら出て来られ、こちらこそすいません。春彼岸会の準備中との事で、そう言えばもうすぐお彼岸でした。


( ̄∀ ̄)v- お構いなく。おみくじとこの諸芸上達のお守りをください。



おみくじは小吉。貞奴さんみたいな美貌は無いけれど、文才祈願にお守りゲット。まあその何だ、文才も芸ですな。