とりあえず最初に幽霊の存在を科学的に検証しようとしたのは英国で、番組ではまずその英国を含むユーロ圏の旧来の幽霊の捉え方が紹介されました。


( ̄∀ ̄)v- 古い宗教画に幽霊が描かれている。キリスト教の聖人が起こした奇蹟を描いたもので、破門された為に天国にも地獄にも行けない2人の修道女が救われるのを絵説きしてますが、パッと見ではどれが幽霊か分からない。昔の絵画の様式では、幽霊は生きてる人間と見分けがつかない姿に描かれてたんすね。


これは日本でも同じで、白い死装束に三角の頭布、足がないスタンダードな幽霊画は江戸時代くらいに定着したもの。日本でも徳の高い僧侶が幽霊を成仏させる様子を描いた絵画は布教や物語本のツールになっていましたが、古ければ古いほど幽霊は生者と同じ姿で描かれてます。


それはその当時の感覚で、この世のものではなくなっても、幽霊はまず外見から生者を脅かすものではなかったんすね。キリスト教なり仏教なりの価値観が下地になると、「昇天(成仏)できず地上をさまようもの」と考えられ、どこの誰か分かるものでなければならないから生者と同じ姿で描かれた。足を消したり血みどろにするギミックは、より怖がらせるのに重きを置いた歌舞伎などの「宗教以外の文化の発達」に依るんすね。



天下のNHKはその辺ちょっとラブ&ピースに持ってきてますが、11世紀には宗教画の絵説きのように対象が不特定多数だった「幽霊」が、市井のものになっていく過程が紹介されました。