てっぺんを征して下り始めて思案橋。来た道とは違う遊歩道が、下に向かって伸びている……


(; ̄ー ̄)v- あと二つの滝があるのよね。確かふもとの「三の滝」の手前で道が分岐していたわ。


五つの滝の周遊コースだから、ぐるっと回ってそこに通じてるはず。時刻は午後三時半。四時を過ぎればぼちぼち暗くなってくる。


(; ̄○ ̄)v- ちょっと急いで行ってみよ。


初めて来た場所だから無難なのは来た道を戻ることですが、それほど時間はかからないと判断。けども転倒や滑落のリスクは下りの方が高いので、気を引き締めてまいります。


こちらの方が日当たりが悪く、周りは気持ち薄暗い。細い林道を下っていくと、四つ目の「円明の滝」に着きました。


( ̄∀ ̄)v- これともう一つの「二天の滝」で、宮本武蔵が滝に打たれて瞑想したそう。円明流というのは武蔵が若い頃に称していた流派名で、由来は禅語だす。


円明とは「満月のようにみごとで完全なこと。円満明朗」で、白隠禅師の座禅和讃には「四智円明の月さえん」という節があります。


( ̄∀ ̄)v- 四智とは迷いを断ずる四種の智慧のことで、法智・類智・他心智・世俗智。(大円鏡智・平等性智・妙観察智・成所作智) なんや小難しいですが、悟りを得るために会得するモノのよう。「子連れ狼」の拝一刀が禅僧に「刺客道の無門関」を教わるエピソードがありますが、宮本武蔵も禅の精神を参考にしたみたいすね。


( ̄∀ ̄)v- 閑話休題。もう少し下りると五つ目の「二天の滝」に到達。落差は10~20m台で、こちら側の滝は木立や岩の間にひっそり在りました。



そこからはもう高低差はキツくなく、まだ明るいうちに戻れました。日差しは落日直前の最後の明るさ。柳田國男の「山の人生」の一節「戸口いっぱいの光」をいつも思い出します。