再び読書中。おお、これはグッとくるエピソードが!
『幻の巨大石塔』
舞台は岐阜・富山・石川県にまたがる笈ヶ岳(おいずるがたけ)。著者の田中康弘氏は、情報提供者から古い新聞記事のコピーを見せてもらいます。
日付は明治27年。ある猟師が熊を追って笈ヶ岳近辺の山深くに入り込んだところ、いつの間にか自分がどこにいるかも分からなくなる。
そんな状態で山中をさまよっていると、突然に目の前に巨大な建築物が現れた。その規模は尋常でなく、天然石で造られた五層構造の塔。三階までは螺旋階段があり、中にはたくさんの仏像が安置されていたのだとか。
(; ゜д ゜)v- ほおおおおおおお!!!
五層構造の巨大石塔の高さはおよそ27mもあったそう。誰もその存在を知らなかった巨大建築物の話を伝え効いた新聞記者が、それを記事にしたのだそうです。
すると“謎の巨大石塔”を探しに多くの人が山に入り、ヘリを飛ばした人も出た。なんとNHKも番組の企画で探した事があったそうですが、未だにそれらしい建築物は見つかってません。
( ̄∀ ̄) だいたい、あそこの衆は話がデカいと昔から言われてるんですよ。
記事のコピーを見せてくれた方はそう語りますが、幻の巨大石塔にはグッときていて、この方も長い間探しておられるんだそう。やだ一緒にお酒を飲みたい……
ヾ( ̄∀ ̄) 私は岩壁の岩穴がそれじゃないかと思うとるんですよ。あの辺りには修験者が籠もった岩穴がいくつもありますからね。
その方が撮られた写真には、そびえ立つ岩壁に開いた自然の穴が写っていて、確かにそう見えなくもない。けれども内部に螺旋階段や仏像は無い………
「石塔の謎については今も諸説入り乱れているが、最近でも見たと言う人はいる」
(; ゜д ゜)v- ぬな!?
( ̄∀ ̄) 白川郷で栃餅(とちもち)を作っているお爺さんが、石造りじゃないけど大きな建物を見つけた言うとりますね。
そのお爺さんも山奥に入り込んだ時に立派な建物を見つけ、「なんでこんな山奥に」と不思議に思って中に入った。すると広間に荘厳な仏像が6体安置されていて、お爺さんは「しばらくそこで休憩して家に帰った」と語ったのだそう。
でもその後、二度とそこに辿り着く事はできなかった。やっぱり「あの辺の衆は話がデカい」になるんですが、著者の田中氏は「いや実際に行ったんだろう」と考えます。
( ̄○ ̄) 山の中には二度と行けない場所があり、そこへたまたま迷い込んだのだろう。そのような経験者の話は日本国中どこにでもあるのだ。
遠野物語には“マヨイガ”(迷い家)という山奥にある二度と行けないお屋敷のエピソードがありますね。すごく立派なお屋敷なのに、家には誰もいない。そこからお椀を持って帰ったらとめどなくお米が湧き出すので、お金持ちになったとか。
山中異界、ここではないどこか。こういうお話は何となく惹かれますなぁ。
私もぜひ探しに行きたいのですが、日本二百名山のひとつの笈ヶ岳には登山道が無く、積雪期以外の登頂はほぼ不可能なんだとか。普通 逆じゃないのか……
そして笈ヶ岳の頂上からは1500年代の仏像や経筒、刀などの修験道との関わりをうかがわせる物が見つかっているのだとか。田中氏は「やはり修験の山は磁場が少し違うのかもしれない」と締めていました。
グッとくるなあ……