Ф( ̄○ ̄;) ……スルスルスルスル………………


緊張した面持ちで、唯一の命綱を両手で持って長く伸ばしながら進むサラ。進みながら行く先を模索するのは「余計なことを考えなくて済む」から動揺を鎮めるのに役立ちますが、同時に「主観に没入する余地」も出てきます。


( ̄ー ̄)v- 余計な事を考える余裕も出来てしまうんすね。


「サラ………」


Ф( ̄○ ̄;) ……!!


来た。一心に前を見て進むサラの耳に、抑揚のない女の囁き声が響きます。


「サラ、後ろを見て」


Ф( ̄○ ̄;) ダメ。


一心に前を向いて歩きながら、囁き声を拒否るサラ。これはジェスの声なのか、それともサラ自身の声なのか?


「振り向いて、サラ」


囁き声は繰り返される。サラは見ようとしませんが、いつの間にか木立の間にはボロボロな身なりの亡者が立って彼女を見ている。それはだんだん数を増し、サラを取り囲むようにぬーっと佇んでます。これは怖いわ…………


「立ち止まって、サラ」


Ф(T□T;) ただの幻聴よ!!


耐えてはいたけど、我慢の限界で半泣きで叫ぶサラ。確かに囁き声も佇む亡者も現実のものではないかもしれませんが、サラにとっては現実になる。こういう場所を1人でさまようという事は、きっとこういうことなんだろう。


( ̄ー ̄)v- とても心細くて怖い。考えまいとしても「ここは自殺の名所」はすっかり脳裏に刻み込まれてる。1人で迷ってしまえば、その認識が勝手に幻覚幻聴を作り出す……


これが案内所のおばさんが「危険だから決して遊歩道から離れないで」と言い、バイトの女性が「森の餌食になる」と言った理由だろう。ミチはもっと分かりやすく、「取り返しのつかない事をする」と言っていた……


Ф( ̄□ ̄;) !?



足が止まった。度重なる囁き声に負けたのか、サラは立ち止まってしまいます。すぐ背後にズタボロの亡者が立ち、息を飲んだ瞬間、サラの足元に穴が開いて彼女を呑み込みます。