辺りは緑色のまさしく「樹の海」。青木ヶ原樹海というのは正式な地名ではないそうですが、それ以外に喩えようがない場所です。


( ̄∀ ̄)v- 貴重な原生林で、野鳥の宝庫でもある。土壌は平安時代初期(864~866年)の富士山の「貞観大噴火」で流れ出した溶岩の上に成ります。


冷えた溶岩はホットミルクの表面みたいなシワが寄った膜状になり、そこに積もった土の上に森が生まれた。土の深さは3cmほどしかないと言われ、木はそれ以上深く根を張れない。だから青木ヶ原の地面は凸凹していて、地表に木の根がうねって露出しています。


( ̄∀ ̄)v- 富岳風穴、鳴沢氷穴といった天然の洞窟も有名。最近は外国人観光客もよく訪れるそうです。


日本、それも関東では稀有な巨大原生林。豊富な地衣類(コケ)といい木々といい、見るからにマイナスイオン出まくりなんですが、予備知識なしに遊歩道を外れるのはやはり危険。足元が不安定なためかなり進んだつもりでもそれ程ではなかったり、距離感覚が狂いやすいのと、似たような景色だから迷いやすい……


( ̄○ ̄;) ………………………。


サラの青い目が、緑色の樹海を凝視する。まっすぐに伸びる木立と、苔に覆われ地表でうねる根の群れ。人工物ではない「樹の海」に、彼女はしばし圧倒されます。


( ̄○ ̄;) テントがあるわ。


視線の先に人工物が見え、先導するミチが2人を「ここで待て」と手で制します。


ヾ(; ̄○ ̄) テントはまだ迷ってる印だ。


確かにテント泊の準備をしてくる人は、何日か樹海で過ごすのを前提にしている。(単にキャンプ愛好家かもしれない) 自殺防止のボランティアもしているミチは、1人で慎重にテントに近づきます。


ヾ( ̄∀ ̄;) すいませーん、こんにちはー!


サラとエイデンは立ち止まってしばらく待つ。まだ自殺希望者かどうかは分かりませんが、早くも「ここはそういう場所でもある」と実感するサラに、エイデンが尋ねます。


( ̄○ ̄) ……もしここで妹に会えなかったら?

(* ̄○ ̄) 明日も来る。



ミチが向かったテントの方向を見据えたまま、即答するサラ。やがてミチは安心した様子で引き返して来ます。