なかなか樹海シーンに入らないんですが、「わざわざ尺を取る以上、この場面にも意味がある」……と思うしかない師走の深夜。


次のお宿は樹海の近くで、日本情緒たっぷりの旅館。しかし夜に部屋に戻ったサラは、まずは明かりのスイッチを見つけるのに難儀します。


壁バン!ヾ( ̄ー ̄;) ………あら無いわ?

壁さすさすヾ( ̄○ ̄;) …………普通この辺にあるんじゃないの?


「奥さん、たぶん蛍光灯からぶら下がってる紐を引けばいいと思うよ」って気持ちで見てましたがサラは諦め、そこは点けっ放しになってた行灯の側に座ります。


(; ̄○ ̄)q 疲れたわ………


そしてスマホを取り出し米国の旦那さんに連絡を取ろうとしますが、ビジネスマンの旦那さんは忙しいのか出てくれない。サラはスマホを脇に放り出し、床につきます。


(ノー ̄*) …………………トイレどこかしら?


客室にトイレはついてないらしい。夜中に目を覚ましたサラは布団を出ると、木造建築の長く狭い廊下に踏み出します。


壁さすさすヾ( ̄○ ̄;) 通路の明かりは………自分で点けなきゃダメなのね?


今度は壁にスイッチがあった。古い旅館で蛍光灯が嫌々という感じで点きますが、点き具合が弱々しい。


ぱっ………ぱちん、
ぱっ……ぱ、ぱちん………


断続的に明かりが点いたり消えたりする廊下に佇み、ふと奥に目を凝らすサラ。明かりが途切れる直前に、前の方に白い人影が見えるような………


ぱっ………ぱちん。
ぱちん………ぱっ………


蛍光灯の明滅にはまるで意志があり、奥へ奥へとこちらを誘うよう。サラは「誰かいる?」と訝しみながら廊下を歩き出しますが、ガバアアアアアアア!!


ヾ( ̄□ ̄;)/キャアアアアアアアアア!!!!


来るとは思った。でも、めっさ驚かす気満点のお婆さんがキターーーーーー!!


(; ̄□ ̄)/ ……おばあちゃん!! すみません、年寄りなので………


いきなり至近距離から掴みかかられて叫ぶサラに、宿の娘さんが出てきて謝る。先代の女将がご高齢のイロイロで、悪気なく驚かせちゃったみたいでした。



頷きハアハアと呼吸を整えるサラ。ひとつひとつは些細な事ですが、馴染みのない日本で彼女には少しずつ「ホラーな目に遭う下地」が作られていきます。