1枚目は天下のナショジオ「EVEREST 非情の最高峰」より、ネパール側からエヴェレストに行く途中にある左右対象の美しい山・タウオツェ(6542m)。


(; ̄ー ̄)v- ヒマラヤの高山は8000m級は14座ですが、それよりも低い、でも日本人の感覚ではアホみたいに高いマイナーな山がゴロゴロしてます。


エヴェレストに登ろうとする人たちは、まずベースキャンプに着くまでにこういう景色を飽きるほど見る。私ならこれで「我が生涯に一片の悔いなし」と言ってしまいそうです、マニ石の散在する大地から見上げるこの白い山。この青すぎる空。


( ̄ー ̄;)v- 2枚目はエヴェレスト南東稜のふもとですけど、このスケールっすよパイセン。人間がゴミのよう。


「人間の体が高度に慣れるのには時間がかかる。経験豊かなヒマラヤニストは、1日に600m以上登らない。低い気圧と酸素濃度に体が慣れるには、ある程度の時間が必要だからだ」

「海抜0mで暮らしている人が、酸素の補給なしにいきなり標高6000mの高地に連れて来られたら、30分もしないうちに倒れ、じきに絶命してしまうだろう」


天下のナショジオの、ユーモアが1mmもない解説がじわじわ来ます。飛行機なら低空なんですが、生身では「早い人は標高2700mから始まる」のが高山病。最初は軽い頭痛や吐き気ですが、重症化すると高地肺水腫(血液から染み出した水分が肺にたまる)や高地脳浮腫(脳がむくむ)に移行。ここまで来ると幻覚が見えるようになり、すぐに低地に下りないと死ぬ恐れがあるのだそう。


-v( ̄ー ̄;) 私は小学生の時に標高3026mの乗鞍岳で激頭痛に襲われ、父におぶわれて登頂しました。

(; ̄ー ̄)v- でも下り始めたら嘘のように頭痛が治まり、途中から駆け下りてた。あれだったんだな高山病。


エヴェレストのベースキャンプは、南東稜だと標高5350m。北東稜だと5200m。私なら生きていられる気がしませんが、1999年3月31日に東ロンブク氷河上のベースキャンプに到着した著者ヨッヘン・ヘムレブ氏は感涙してました。


(T∀T) ……仲間たちから離れて、一人でこの瞬間を味わった。

(T∀T) 無数の写真でこの山を研究してきただけに、この初めて実見する瞬間の心づもりは出来ているつもりだった。

(T∀T) だがそうではなかった。しばらくすると、胸の熱くなる感じと満足感がこみ上げてきて、山という無機物が、これほどまでに人の心を動かすことに驚いた。


ガチやなこの人。いわゆる聖地巡礼のヘヴン状態……でも、厳密にはそうかもしれんけど、私には山を無機物と捉えるのは違和感あるわぁ。
(木の茂る山しか知らないからか)


1924年の英国隊がここに到着したのは4月29日。少しズレはありますが、少年の頃から「取り憑かれてきた」エヴェレストを前にしたヘムレブさんは感無量でした。


( ̄ー ̄)v- 1924年の英国隊では、着いた早々からアーヴィンが日記で愚痴っていました。↓


ヾ(-"-;) ……陰気な天候で気分がくさくさする。英国から持ってきた酸素ボンベが壊れて漏れ漏れ。修理しなきゃ……


天候は1999年の調査遠征隊の方が恵まれていた。空気が乾燥していて、エヴェレストの上部では雪が風に飛ばされて岩がよく露出している。遺体や遺品を探すにはうってつけでした。


( ̄ー ̄)v- どプロ曰わく、「エヴェレストの上部は冬の方が積雪は少ないですよ。強風で飛ばされますから」……厳冬期の敵は風なのね。


そして1924年隊もメンバーに交互に体調不良が起こりましたが、1999年隊のグレアム・ホイランド(BBC撮影班の副プロデューサー)の体に異変が起こる。エヴェレスト登頂経験もある彼は突然に、左半身麻痺に襲われます。


それは一過性脳虚血という症状で、脳の右側の血流が流れにくくなり、脳に酸素がいかなくなるというものでした。翌日には殆ど回復したけれど、上司の命令でカトマンズに送り返されます。


( ̄○ ̄;) ……企画を通そうと尽力してくれたのに。


1924年隊のサマーヴェル隊員が大叔父で、「マロリーが持っていったカメラを見つけたい」と望んでいたホイランドとは仲良くなっていた。ヘムレブさんはBBC班の内部対立を間近で見ており、おそらく二度とここには来られないホイランドを傷ましく思います。


4枚目はBBC撮影班やキャラバンのサポート班の方々で、右下のふくよかな男性がプロデューサーのファーストブルック氏。糖尿病の気があり、後にホイランドよりもヤバい体調不良に陥りますが、帰りませんでした。


( ̄○ ̄;) あれ死ぬんじゃないのか?

( ̄ー ̄;) なんかなぁ…………



発起人のヘムレブさんとジョンソンさんは鍛えてるんでまだ余裕。けれどもここは、登頂経験のある人でも脳への血流がバグる場所なんだ…………