夜は車が動かないため仕方なく車中泊になりましたが、そうなったらなったらで、どこからともなく集まってきたゾンビが外に満員御礼。


(; ゜д ゜) ウガアアアア!!

( ゜皿 ゜;) キシャアアアア!!


( ̄ー ̄)( ̄○ ̄;)(; ̄ー ̄) ……………………………。


三人三様に押し黙り、「こうなると体で学びました」って表情の男たち。見とれよ朝になったら何体かシバキ倒して積んでやる……


( ̄○ ̄;) たまんねぇな。

( ̄○ ̄) まだマシさ。


愚痴るベニーさんに、のどかに呟くフランクさん。彼は「どこがマシだよ?」と言われ、ゆっくり答えます。


( ̄○ ̄) ……15年前、息子の脳に腫瘍が見つかった。

( ̄○ ̄) まだ7歳だった。私の腕の中で死んだ。

( ̄○ ̄) 最悪の日だった。今日はマシだ。


淡々と語るフランクさんに、ゾンビ化した妻子を殺したバリーはそれを思い出す。そしてゾンビ化した弟を殺せなかったベニーさんはしばし沈黙し、「お気の毒に」と呟きます。


( ̄○ ̄)/ 仕方のない話さ。飲むか?


もうある境地に達してるフランクさんが酒瓶を差し出し、ベニーさんが受け取ります。


( ̄ー ̄)v- アボリジニは太古に飲酒の習慣がなく、遺伝的にアルコール耐性が低いそう。だからオーストラリアでは困窮するアボリジニのアルコール依存症は社会問題で、居住区への酒類持ち込みは規制されているのだとか。


また小便したいとか言い出すぞベニーさん。でも誰も気にせず、ベニーさんはゴクゴク飲んでます。


(; ̄ー ̄) ……なぜ、俺たちはゾンビ化しない?


窓の外からゾンビが「開けろゴルァ!」。それに「後で見とけよ」を充填しつつ、低く重い声でバリーが呟きます。


( ̄○ ̄) ウィムウッドだ。

( ̄○ ̄;) 何?

( ̄○ ̄) 黙示録だ。


フランクさんがゆっくり答えます。


( ̄○ ̄)“天使がラッパを吹くと、ウィムウッド(ニガヨモギ)という大きな星が地上に落ち、川の水は毒になり大勢が死んだ”。

( ̄○ ̄) 昨夜、おびただしい流星群を見た。朝になって生ける死者を見た時、最後の審判だと悟ったよ。


原題(Wyrmwood)キタ。どう読むんだこれと思ったら、黙示録で言うところのニガヨモギ、終末を連れてくる災いの星の事でした。


( ̄○ ̄) ……最後の審判で良い人間は上(天国)へ、悪い人間は下(地獄)へ行く。そのどちらでもない奴は中間へ。煉獄に連れて行かれ、神の裁き(テスト)を受ける。


助手席のベニーさんは真面目な顔で「テストは嫌いだ」と吐き捨てる。バリーは硬い表情で、「じゃあ、これも裁きか?」と呟きます。


( ̄○ ̄) そんなところだろうな。



フランクさん的には、自分らはゾンビとそう変わらない。そこまで達観できないバリーは黙り込み、それでも浅い眠りの中で罪悪感に苦しみます。