ようやく本筋。けれどもタメたっぷりに、「まだオープニング続くんかい!」な場面です。
場所は1991年のフランクフルトのままのよう。そのどこかで謎めいた老人が机に向かい、おごそかな手つきで箱に何かを入れています。
( ̄○ ̄) 時は来た。
それは両手に収まるくらいの紙の箱で、何を入れたかは観客には見えない。老人は慎重に箱に十字に紐をかけ、それから旅支度を整えます。
部屋には鳥籠が掛かっており、カナリアが1羽いた。老人は籠に手を入れてカナリアを逃がし、長いマントを翻して出て行きます。
( ̄○ ̄;) ……ゴホゴホ!
ひどく体調が悪そう。老人は長距離バスの座席に箱を抱えて身を沈め、時折ひどく咳き込みます。
“……地下鉄で自殺した殺人犯は、殺害した女性の心臓を持っており……”
バスのラジオがあの事件のニュースを伝える。どうやら事件は悪魔崇拝のカルト集団によるものと判断され、専門家が捜査を担当するようです。
“凶悪なカルト集団と日夜戦うフォード氏が、この事件を担当します”
“彼らは自分たちが崇拝する悪魔のために、何の罪もない人たちを生贄にします”
(≧□≦;) ゴホゴホ!
(; ̄〇 ̄) ……ちょっと、大丈夫?
うららかな日差しを浴びてウトウトしていた若い女性が振り返り、具合の悪そうな老人に声をかける。しかし老人は無造作に「放っといてくれ」と言い返し、かたくなな動作で箱を抱えて突っぱねます。
バスは郊外の緑豊かな場所に着き、老人は乗客たちから1人離れて路上の真ん中で空を見上げる。そこに1台の車が走ってきて、老人は危うく轢かれかけます。
ヾ( ̄○ ̄;) 大丈夫!?
かなりスピードが出てたけど、とっさにハンドルを切って脱輪しただけで車も無事だった。慌てて降りてきた運転手が主人公のミリアムで、演じるはケリー・カーティス。
( ̄ー ̄)v- お母んは『サイコ』のジャネット・リー。妹は『ハロウィン』のジェイミー・リー・カーティス。なんぞこのホラー映画絶叫クィーンの正統たる血族っぷり。
いい感じに老人を轢きかけたミリアムは、「救急車はいらん」とかたくなに拒否る彼を自分の家に連れ帰ります。
(; ̄○ ̄)/ 近くにお医者がいるから呼んでくるわ。とりあえずうちで少し休んで。
( ̄○ ̄) 医者はいらんが、ありがとう、ミリアム。
(; ̄○ ̄) なぜ私の名前を? 教えてないのに。
老人は「これだ」と言って、ダッシュボードに置かれたプレートを指差す。それは幼い頃のミリアムの写真と名前がついたマスコットでした。
( ̄○ ̄) 10歳のあんただ。笑顔を覚えた。
ゆっくりと車を降りながら、初対面の彼女をやけに知ってるような事を呟く老人。ミリアムは不思議そうな面持ちで、老人を家に招き入れます。