“例えるとすれば正義は、最も優しい愛人だろう”


紫煙を吐き出しながら、ゆったりと周りを見渡すスカルメイクのマダム。


“でも復讐は、正真正銘の悪女だ”


まっすぐ正面を見て、マダムはニヤリと笑う。ああそうか、彼女が開店前に女の子たちに「今日が始まりなんだ」「あんた達の新しい人生の初日だよ」と言ったのは、女の子たちに復讐を果たさせる為だったんだ。


復讐というか趣向。祝祭日の「死者の日」のイベントで、女の子たちを虐げたゲス野郎共を好きにさせた。この町では法は機能しないから。ここでは「正義は最も優しい愛人」で、人生を委ねるには値しないから……


“悲壮感の漂う顔を見るのは我慢ならない”

“被害者のような雰囲気をまとう女にはうんざり”


-v( ̄○ ̄;) それだからだ。店の子たちと同じような目に遭ってきたマダムは、「メソメソ泣くよりクソ女になって生き延びろ」と、むしろ彼女たちを解放した………


強ぇ。
でもって図太い。
確かにこれは、女の子たちにとっては救いでもある……


-v( ̄ー ̄;) 逆らうとお仕置きが伴う、そんな強制的な救いではあるけれど。


これはいわゆるレイプリベンジ物で、前半は女性が酷い目に遭うのが売りってジャンルなんすね。たいてい男性監督が撮っていて、どちらかと言えば男性向け。


でも本作は唯一 女性監督が撮っており、先にレビューを書いた『ABC・オブ・デス2』の『残虐ポルノ』と同じ女性目線のリベンジ物。だから女性の映し方が少し違ったり、情念の爆発ぶりが生々しいです。


( ̄ー ̄)v- 同じ復讐でも、ひとつ前の『7回の7倍までも』は男の復讐で、女のそれとは趣が違いますな。死者を祝う日。死者と生者が立ち混じる祝祭に強烈な復讐と再生劇を当ててきました。



タイトル画面は皮膚をギリギリと絞め上げる荒縄。あんまりスッキリしないけど、パーッといきましたなぁ。