苦行まではいかないけれど、「考えるな感じろ」系。


『P-P-P-P SCARY!』(ピ ピ PS怖い!)
(監督:トッド・ロハール/「ハンナだけど、生きていく!」脚本)


今回 英国とタメを張るノミネート数の米国産。でも全体的な雰囲気は、昔のヨーロッパのサイレント映画です。


モノクロ映像で右も左も天地の境も分からぬ中を、メイクは古きよきサイレント映画風ですがドリフのコント的な3人組みがそろそろ進む。服装から察するに、どうやら脱獄囚みたい。


(; ゜д ゜) ……に、に、逃げる前に地図を手に入れたか?

( ゜□ ゜;) ボ、ボ、ボビーも忘れたのか?

(; ゜ー ゜) ああ。ボビーも忘れた。


噛んでる噛んでる。若干1名冷静な人もいますが、脱獄囚たちは闇にビビって舌もガクガク。脱獄の王道、「穴を掘って地下からトンズラ」の最中だろうか?


(; ゜д ゜) こ、こ、このロウソクはいい匂いだな!

( ゜□ ゜;) な、な、何の匂いだ?

(; ゜д ゜) ボビーの好みでぴ、ぴ、ぴ、……ブドウだ。


「ぴ」でブドウ? つい検索したらやはり「グレープ」なんだけど、即座に「パナップ」と浮かんだのは内緒です。私きっと疲れてる。


怖さを紛らわせるために、とりとめない会話を交わしながそろそろ進む3人組。しかしいきなり視線の先に、普通ではあり得ないモノが見えてきます。


(; ゜д ゜)/ あ、あ、あれを見ろ!

(; ゜д ゜)/ き、き、筋骨隆々の男が、赤ん坊を抱いて安楽椅子で眠っているぞ!

(; ゜д ゜) 起こした方がいいのかな?


あらやだ、闇の中に赤ちゃんを抱いたシュワルツェネッガーみたいなオッサンが、どこぞの暖炉の前みたいに椅子に揺られて眠ってる。おののく3人がビビって見つめていると、オッサンはぱちっと目を開けました。


( ゜д ゜) お?

ヾ( ゜∀ ゜) HAHAHAHAHAHAHA!! よく来た!!


目覚め一発で笑顔全開。ガチムチのオッサンはウェルカム体勢で立ち上がり、どこぞの部族の歓迎の儀式みたいにアイリッシュダンスを踊り始めます。


(; ゜∀ ゜)(; ゜∀ ゜)(; ゜∀ ゜) ……………よく分かんないけど、いい人みたいだ!


オッサン、赤子はどこやった。笑顔全開でステップを踏むオッサンはよく見ると両手がフリーダム。しかし注目すべきは顔芸で、いきなり口が顔半分になったりグレイ型宇宙人みたいに顎が尖ったり……

(; ゜□ ゜)(; ゜□ ゜)(; ゜□ ゜) うわあああああああ!!!


びっくり仰天して叫ぶ3人組。謎のオッサンは顔芸の合間に彼らの持ってるロウソクの明かりを吹き消しますが、慌ててまた点けるたびに1人ずつ仲間が消えてしまいます。


(; ゜д ゜) み、み、皆どこだ?……わあっ!!


残った1人が足元を照らすと、そこには囚人服とひしゃげた肉塊。悲鳴をあげて体を起こすと、ハイ、ド真ん前に笑顔全開のガチムチ親父が!


( ゜∀ ゜) アハハハハハハハハハハハ!!!


どこから赤子をまた出した? いや、体は赤ちゃんだけど顔は老人。ゲタゲタ笑う子泣きじじいを至近距離で見た男の絶叫で暗転してハイおしまい。



「考えるな感じろ」でした。