お次はリトアニア代表。監督名で検索したら、レビューを書いた事がある方でした。


『KNELL』(凶兆)
(監督:クリスティーナ・ブオジーテ、ブルーノ・サンペル/「ナイトメアは欲情する」)


夕暮れ時に、アパートの一室で足にペディキュアを施している女の子。足の爪に集中する彼女が、ふと顔を上げて窓に目を向けます。


コォオオオ……


何か不思議な音がする。ペディキュアを中断して窓辺に近づいた女の子は、外を見て「えっ?」と目を見開きます。


コォオオオ……


向かいのビルもアパートなのか。その屋上から少し上の空中に、黒い液体がコォオオオと蠢きながら浮いていた。それは絶え間なく形を変えて、まるで巨大な見えない球体の中にあるみたい。


(; ̄○ ̄) ……な、なにアレ?


台詞は一切なし。窓辺で茫然とする女の子は、次の瞬間、黒い球体に覆い被さられるアパートの窓に目を奪われます。


……明かりがついてる窓もあれば、そうでない窓もある。しかし無数の窓の向こうでは誰かが誰かを殴打したり、刺したり、窓から突き落としたり。茫然と見つめる女の子は、不意にハッと息を飲みます。


(; ゜д ゜) ええっ!?……………


ひとつひとつの窓に人影が立ち、一斉にこちらを見つめている。みんな同じような棒立ちで、「目撃者」の自分を見つめてる………


ヾ( ̄□ ̄;) ああああああ………!!


窓辺から後ずさり、慌てて玄関の戸締まりを確かめる女の子。彼女はドアの外が心配で、小さな覗き穴に恐る恐る目を近づけます。


……誰もいない。見えるのは青と黒の薄闇に沈むつめたい通路のみ。少しだけ安心した彼女は、それでもまだ分からないと体を震わせ、ゆっくりと後ずさります。


いったい何が起こってるの?
あの窓辺に立っていた人々は、これから私の所に来るんじゃあ?………


(; ̄○ ̄) ………あっ。


女の子がビクッとする。玄関ドアの覗き穴から、何か得体の知れない黒い液体がツツーッと滴り落ちてくる。それは覗き穴からだけでなくドアの下からも滲み出し、ジワジワとこちらに迫ってきました。


(; ̄□ ̄) ああ………………?


キャミソールとショーツ1枚で立ちすくむ彼女の脚の間から、にわかに赤い血が伝う。生理が始まっちゃったのか?


いや経血の量じゃない。彼女の太ももから足元まで伝い落ちた鮮血は、そのまま一筋に床に流れ出す。そして向こうから、黒い液体も同じように迫ってくる………


それを見つめる瞳のアップ。赤い血と黒い液体は、向かい合うや否や生き物のように素早く混じり合って1つになりました。


( ̄ー ̄)v- これで終わり。何か壮大な破局だか大災厄の前触れを描いた作品みたいすね。



向かいのアパートの住人は、あの黒い液体に「侵略」されてしまったんだろうか?
観る側が想像するしかない、ちょっとイヤーンな感じですねぇ。