「連続殺人犯であるアラン・サンティーニが劇場で焼死した事は、既にお伝えした通りです」


(; ̄○ ̄) ………?


テレビの前に立ち、ニュースキャスターの言葉に聞き入るマーク氏。その表情はすぐに険しくなります。


「……しかし警察によりますと、死体と思われたのはマネキンだった模様。逃亡する時間を稼ぐための細工と思われます」


(; ̄□ ̄) !!


愕然とするマーク氏。脳裏にはあの燃え上がる小部屋の中で、棚からマネキン人形を掴み出して床に投げ出すアラン警部の姿が浮かびます。


-v( ̄□ ̄;) でもどうやって部屋から出たんだ? ベティんちの「壁の内側マスター」だったアラン警部は、劇場関係者も知らない隠し扉も知ってたのか?


……いや、その辺は問うのも無意味。何で逃走したのか問うのも無意味。マーク氏は慌てて外に出ようとして、通いの家政婦さんが血の海に倒れて死んでるのを見ておののきます。


「凶悪犯の逮捕にあたり、国際警察も協力して行方を追っています……」


(; ̄□ ̄) ベティ、奴は生きてる!!


窓から身を乗り出して、草原に佇むベティに向かって叫ぶマーク氏。


(; ̄□ ̄) 死んでなかった! 奴はここにいる、逃げろ!!


( ̄○ ̄;) ………!!


すぐに理解して身を翻すベティ。彼女はなだらかな草の斜面に駆け出しますが、ああ、その背後からアラン警部が追ってくる………


┏( ゜д≦)┛ ダッダッダッダッダッ……………


嗚呼何という荒みっぷり。スッキリ端正だった面影はとうに無く、無表情で「ダッダッダッ」としか喩えようのない走りっぷりが滑稽を通り越して不気味です。彼にはもう何もない。ただ機械的にベティを追っているだけなのか?………


┏( ̄○ ̄;)┛ ………………!!!


その姿を見て本気モードで逃げるベティ。こんな無表情な抜け殻みたいなのに追って来られたらたまらんわ。目が死んでるってか、人間の目じゃないよもう!


-v( ̄ー ̄;) ホオジロザメの目をイメージすると近いかも。あれは怖い。。。


ダッダッダッダッダッ。


怒号も汗もない。何の感情の高ぶりも感じられない追跡劇はすぐに終わり、ベティが捕まる。


ヾ( ̄□ ̄;) 貴様!!



そこに後から鬼の追い上げで追いついたマーク氏が飛びかかりますが、アラン警部はナイフを振りかざしてマーク氏の心臓に突き立てます。