椅子の肘掛けに手首を縛りつけられたベティの前にひざまづき、その手の甲にうやうやしく口づけるアラン警部。


( ̄○≦;) ……私は死ぬべきだ。


( ̄○≦;) 助けてくれるか?


めっさ品のいい仕草なんですが、ちょっと何言ってるか分からない。彼の論理では「再び愛の奴隷として生きる望みがついえた」アラン警部は、ベティに殺してもらう事でこのアカン悲劇に幕引きするつもりみたいです。


ヾ( ̄○≦;)ヾ しっかり持て……左だ、いや行きすぎた。もう少し戻せ。


ベティに拳銃を握らせしゅたっと下がり、演技監督のように位置を修正させるアラン警部。何してはりますのや高貴な下僕様、この無駄な気品はナニ………?


(; ̄○ ̄) ……………………………………………………。


当然ながら、ベティはこの強烈な「お芝居」についていけない。拳銃を握らされて戸惑う彼女を、アラン警部は「それならこうだ」と煽ります。


まずは部屋中にガソリンを撒き、擦ったマッチを彼女に近づける。「撃たないと炎の海で心中だ」ってお膳立てをした上で、駄目押しでこの発言。


( ̄○≦;) 撃ちたくなるようにしてやろう。私は君の母親を絞め殺した。


( ̄○≦;) ……血を求め続けた貪欲な女め、死んで当然だ。彼女を殺すのは楽しかったよ。


怯え動揺するベティが、その言葉にビクッと身を硬くした。殺した上に侮辱するのか? 母がどんな人間だったにせよ、娘としての怒りは別。アラン警部はそこまで読んでベティを挑発します。


(; ̄□ ̄) ……………………!!!


ダン!!


おそらく考える暇もなく、反射的に引き金を引くベティ。しかしアラン警部には当たらず、彼は擦ったマッチをガソリンまみれの床に落とします。


ぽっ……



火がついた。
結局は狙いは心中か? またたく間に小さな炎は部屋中に広がり、地獄の業火に変わります。