眠るベティが見た夢は、薄暗いどこかの廃屋だか舞台裏。まだ幼い、ちょうどアルマちゃんくらいの年格好の自分が暗がりをさまよいます。


( ̄○ ̄;) ………?


音声はないですが、幼いベティは悲鳴や物音を聞いてそちらに向かう。物陰からそっと部屋を覗くと、隅の方に女性が立っていました。


(;≧□≦) キャアアアアアアアアア!!


女性は壁に背中をもたせかせ、視線を奥に向けている。そこではもう1人の女性が誰かに襲われ、暴力をふるわれ叫んでいます。


( ̄○ ̄;) …………………………。


どんな種類の暴力かは、幼いベティには分からない。また同時に壁際の女性が何故それを止めもせず、じっと眺めてるのか分かりません。


( ̄ー ̄)v- ただひどく恐ろしい光景、忌まわしい光景というのは分かる。別の夢想(記憶)の中では、壁際の女性は自ら手首を天井から吊され、「否応なしに見ている」シチュエーションの時もあった…………


(; ̄○ ̄) …………………………。


(; ̄∀ ̄) …………………………。


もう1人の女性は拉致られてか言葉巧みに誘い込まれてか、こうなるとは知らずに痛めつけられ叫んでいる。そして、それを見物する壁際の女性は呼吸を荒げ、その顔にはうっすらと笑みが浮かびました。


( ̄○ ̄;) ………………………。


訳が分からない。でも、これは他人には話せない光景。ひどく恐ろしい、その「ただ見ている女」は不意にベティに気づき、ハッと顔をこわばらせます。


「………ママなの?」


楽屋のソファでうなされていたベティが目を覚ます。彼女はガバッと起き上がると、ひとり深く考え込みます。


“……子供の頃、よく同じ悪夢を見た。”


“だが、あれは本当に夢だったのか。”


“それとも、実際の出来事だったのか。”



答えを知りたくない。思い出したくない。けれども少しずつ何かが蘇り、気持ちを整理する暇もなく、2度目の公演の幕が上がります。