少し前にベティが覗き窓越しに隣人を見た伏線が、ここで生かされます。


ぎっ(; ゜д ゜)/ これでいいわ、いつでも相手になってやる!


肉切り包丁を握りしめ、気合い十分のミラさんが頼もしい。嗚呼この貫禄、アルジェント御大の長年に渡ったパートナー、ダリア・ニコロディよ永遠に。(現在は映画出演からは身を引いている)


2人はそろそろと台所から出て、ベティは居間の床に置かれた電話のコードを手繰りはじめ、ミラさんは玄関ドアの前に立つ。そこにドアの外から男の声が響きます。


「開けなさい、ソアベだ」


外にいるのが本物か? だが疑心暗鬼みちみちのミラさんは、覗き窓に顔を寄せて言い放ちます。


( ̄○ ̄;) 信じられると思うの? あなたが異常者かもしれないのに!


「今 身分証を見せる」


覗き窓に警察手帳が当てられる。でも相手は懐中電灯を近づけながら見せており、反射して今イチよく見えません。


( ̄□ ̄;) 身分証なんか、誰にでも偽造できるわ!


まるで童話のやりとりのよう。三匹の子豚だったか、赤ずきんだったか。たやすく納得しないミラさんに、今度は相手は拳銃を掲げます。


「ほら、警察のピストルだ」


( ̄ー ̄;) ………?


そこでふと何かに気づくミラさん。相手の声に聞き覚えがあると思ったのか?


( ̄○ ̄;) ……待って。あなたを知ってる……


そう呟いた瞬間、覗き窓の向こうで手の平に載っていた拳銃がクルリと回転し、銃口がこちらを向く。


ダン!!



かわす暇はなかった。スローモーションで弾丸が狭い空間を通り抜け、ミラさんの片目を貫通します。